「営業活動のために企業のメールアドレスを取得するのが面倒」「効率的に企業のメールアドレスを収集する方法やツールを知りたい」
このような悩みをお持ちの営業パーソンも多いのではないでしょうか。わざわざWebサイトから企業の連絡先を確認し、抽出したデータをExcelなどに手入力するのは非効率です。こうした非効率な業務はできる限り省力化し、営業パーソンは顧客へのアプローチや商談に時間を使うべきでしょう。
そこで今回は企業のメールアドレス収集に役立つツール10選を紹介します。海外で人気のツール8選、国内で人気のツール2選に分けて紹介していますので、ぜひ目的や用途に応じて最適なツールを試してみてください。
メールアドレス収集ツールとは
メールアドレス収集ツールとは、Webサイトなどインターネット上に公開されている情報から、自動的に企業のメールアドレスを収集してくれるITツールのことです。
手作業で収集する場合は、Webサイトに記載されているメールアドレスをコピー&ペーストして、さらに更新された場合も毎回手作業で入力しなければなりません。そもそもどのタイミングで情報が更新されているかもわからないため、リアルタイムで最新状態を維持するのは至難の業です。
メールアドレス収集ツールを使えば、メールアドレス・住所・電話番号などの情報を自動で収集してくれる上、変更が合った場合も最新情報に更新してくれます。
さらにツールによっては、営業リスト作成だけではなく、収集したメールアドレスに営業メールを自動送信してくれる機能もあります。
営業パーソンにとっては、営業リストを作成する手間が大幅に削減されるため、本来やるべき営業活動に専念できるようになるでしょう。
メールアドレス収集ツールを選ぶ際のポイント
現在メールアドレス収集ツールは、数多くのサービスが登場しています。とりわけ海外では、ツールの活用が主流となっており、それにあわせて各社ではより使い勝手が便利になる機能が追加実装されています。
しかしながら、数あるツールの中でどういったポイントを意識すれば良いかわからない方も多いでしょう。ここでは、メールアドレス収集ツールを選ぶ際のポイントを3つ解説します。
収集できるメールアドレスが自社のターゲットにあっているか
企業によって、ターゲットとなる業界や業種は異なるでしょう。メールアドレス収集ツールを使って効率的に企業のメールアドレスを取得できたとしても、自社のターゲットからずれていれば意味がありません。
メールアドレス収集ツールによって、対象となる業界・業種が決まっていることがあるため、事前に必ずチェックしましょう。
収集した情報の自動更新機能があるか
企業情報は日々変化します。メールアドレスをはじめ企業の連絡先が変更になることや、既にその企業が存在しない場合もあります。取得した情報が古いままでは、適切なアプローチが行えません。
メールアドレス収集ツールによっては、自動で更新する機能があるため、常に最新情報をもとにアプローチできます。
マニュアルやサポート体制が充実しているか
メールアドレス収集ツールを導入後、万が一不具合やエラーが生じた場合や、効果的な使い方を知りたい場合などに、きちんとしたサポートが受けられるか確認しておくことが大切です。
例えば、導入費用は安くてサポート体制がほとんどない場合と、導入費用は多少高くなるがその分サポート体制が充実している場合があります。どちらを選ぶかは自社の社内リソースやITリテラシーによりますが、少なからず疑問点や問題は生じるはずなので、サポートがほとんどないサービスを導入するのはリスクが高いと考えます。
海外で人気のメールアドレス収集ツール8選
メールアドレス収集ツールの本場は海外です。海外ツールと聞くと「英語が不慣れで操作に不安がある」と感じる方も多いでしょう。
しかし、中には日本語に対応しているサービスもあるので、不安な方はそれらを選ぶのがおすすめです。ここでは海外で人気のメールアドレス収集ツールを8つ紹介します。
1.Octoparse
Octoparse(オクトパス)はWebスクレイピングツールです。Webスクレイピングとは、Webサイトから、特定の情報だけを自動で抽出するコンピューター技術のことです。Octoparseを使うことで、iタウンページやリクナビNEXTなどのWebサイトからメールアドレスや電話番号を瞬時に集めることができます。
収集した情報は、Excelやスプレッドシート、csvなどにエクスポートできるため、営業リスト作成も容易です。さらに、予約機能を使えば、設定した日時にデータ抽出を行えるため、定期的なリスト更新も自動化されます。何よりこれだけ充実した機能を無料から使えるのはOctoparseだけです。
2.ZoomInfo
Zoominfo(ズームインフォ)は、営業活動を効率化する営業支援ツールです。企業メールアドレスをスクレイピングするのに役立つ機能が充実しています。Zoominfoには、約1400万社の企業情報と1億件以上の個人情報がデータベースとして蓄積されています。
さらに、顧客データ分析など顧客関係管理(CRM)としての機能も充実しています。Salesforce、Outlook、Marketoのプラットフォームにも連携しているので、それらのツールを導入している企業であればシームレスに活用できます。
ただし、最も安価なプランでも年間100万円ほど掛かる点は注意が必要です。もちろんフルに活用することで営業パーソンの業務生産性が向上すれば費用対効果としては十分でしょう。
3.Skrapp
Skrappは、Linkedin連携、Webサイト検索、ドメイン検索、さらにリードディレクトリまでをオールインワンで提供する統合プラットフォームです。Linkedinプロファイルのビジネスメールアドレスを自動的に抽出できます。
洗練されたインターフェースは直感的に操作できるため、メールアドレス収集ツールをはじめて使う方でも、使い方に慣れるまでにさほど時間はかからないでしょう。
4.Hunter
Hunterはドメインを指定することで、使用されているメールアドレスを収集できるサービスです。ドメイン検索を行うことで、その会社で働いている人々の名前や連絡先を見つけることが可能です。
毎月25回まで無料で検索できることや、Chrome拡張機能とGoogleスプレッドシートアドオンを提供しているので、手軽に扱えるのが魅力です。
5.RocketReach
RocketReachは、検索対象がある程度の認知度がある企業の場合、容易にメールを検索できるツールです。アカウント登録すれば(無料)メールアドレス検索が可能になります。
Chrome拡張機能やAPIを公開している他、SalesforceやHubSpotなどの主要CRMと統合しているため、マーケティングプロセスの省力化に貢献します。機能が充実しており、カスタマイズ性も柔軟なので、スタートアップから大手企業まであらゆる企業で活用できるツールです。
6.Overloop
Overloopは、メールに多くの時間を費やす営業担当者向けに作成された販売自動化プラットフォームです。自動化された電子メールのフォローアップにより、ビジネスチャンスを逃さずに済みます。
メール追跡機能により、営業担当者がいつ誰とメールをやり取りしているかをリアルタイムに把握し、営業チーム全体のパフォーマンス向上に役立ちます。
API、Chrome拡張機能および、主要なCRMとの統合を備えているため、企業規模問わず営業基盤を構築したい企業におすすめです。はじめて利用する場合は、14日間の無料トライアルがあるため、そちらを試してみても良いでしょう。
7.Sales Navigator
Sales Navigatorは、ビジネスSNSのLinkedin独自の販売促進ツールで、あらゆる見込み調査に役立ちます。LinkedInに登録されている6億7500万人以上の膨大なメンバーネットワークを活用することで、ビジネスチャンスの拡大や営業生産性の向上に貢献します。
さらに、Salesforceなどの主要なCRMツールと統合することで、営業プロセスや顧客管理の効率化にも役立ちます。
8.ScrapeBox Email Scraper
ScrapeBox Email Scraperは、Webサイトからメールを抽出できるマルチスレッドメールスクレーパーです。ターゲットWebサイトがIPアドレスをブロックするのを防ぐ「プロキシローテーション」や「User Agent Switcher」などの基本的なWebスクレイピング機能が備わっています。
さらにマルチスレッド接続により、インターネット接続が不十分なためにデータが失われた場合に、複数の接続を同時に行うことや、内部リンク内に隠されたメールを抽出できるアドオンも提供するなど多機能かつ万能なツールです。
国内で人気のメールアドレス収集ツール2選
メールアドレス収集ツールは海外が主流ですが、近年では国内で開発されたツールも登場し始めています。日本企業による、日本企業向けに作られたサービスだけに使い勝手の良さが魅力です。
ここでは国内で人気のメールアドレス収集ツールを2つ紹介します。
1.Urizo(ウリゾウ)
Urizo(ウリゾウ)は、iタウンページやハローワークなどのWebサイトから、企業情報をリアルタイムに自動収集するツールです。収集するWebサイト、業種、地域を選択するだけで、事前に収集可能なデータ件数を把握できるため、市場調査にも役立ちます。
データ収集に掛かる費用は、1件あたり約1円とリーズナブルでリスト業者からリストを購入するよりも大幅なコスト削減を見込めます。初めて利用する方は31のWebサイトから合計1600件分の企業情報を収集できる無料版を利用できるので、そちらで使用感を試してみるのもおすすめです。
2.APOLLO SALES
APOLLO SALESは、アプローチしたい企業の条件を指定するだけで、インターネット上に存在する綺語情報からリストを自動作成してくれるツールです。さらに、作成したリストから自動でメール送信または問い合わせフォーム投稿をするため、手間をかけずにアポイント取得を実現します。
さらにアプローチ結果をスコア化し、営業戦略の策定にも役立ちます。
利用料は契約期間や利用人数によって変動するため、事前の見積もり依頼が必須ですが、営業人材が不足している企業や、これから顧客獲得を強化したいスタートアップの営業基盤の構築にもおすすめのサービスです。
まとめ
企業が存続していくためには、自社のサービスや商品を利用してもらう顧客の獲得が欠かせません。従来の営業活動では一人の担当者が、セールスリードの収集から関係構築、商談、フォローアップにいたるまで、すべてを担っていました。
しかしながら、IT化が進みビジネスのスピードが早まる中、個々の担当者の力量に頼っていては、思うような成果は見込めないでしょう。企業は、営業トッププレーヤー育成にばかり目を向けるのではなく、営業部門全体としての生産性向上やITを駆使した省力化に着手すべきでしょう。
今回紹介したメールアドレス取得ツールを導入することで、各営業担当者は非生産的な業務から解放され、よりクリエイティブな課題解決立案や顧客との関係構築に時間を使えるようになります。ぜひ今回の内容が参考になれば幸いです。