AI(人工知能)の技術は、画像認識や自然言語処理をはじめとする分野で実用化が進み、ビジネスや教育の現場でも利用されるケースが広がっています。これに伴い、AIの基本的な仕組みや活用方法を学べる教材が書籍やオンライン学習サイトを中心に数多く提供されています。
本記事では、AIの理解を深めるためのおすすめ書籍12冊を紹介します。AI学習を効率的に進めるための教材選びにお役立てください。
AIを学習する人のための書籍の選び方
AI学習を始める際は、目的やレベルに応じた教材選びが重要です。
はじめに、教材選びで失敗しないための3つのポイントを紹介します。
- レベルに合った教材を選ぶ
AIに関する書籍や講座には、基礎からやさしく解説した入門書から、専門的な理論や実装技術に踏み込む上級者向けまで幅があります。プログラミング未経験者であれば、数式やコードを多用しない書籍から始めるのが無難です。中級者以上であれば、実装例や演習付きの教材を選ぶことで、より実践的なスキルを身につけやすくなります。
- 学習目的を明確にする
「AIを使って何をしたいのか」を事前に明確にしましょう。ビジネスでの活用を目指すなら、活用事例や業界動向を重視した教材が適しています。一方で、AIエンジニアを目指すなら、機械学習や深層学習の実装に重点を置いた技術書やハンズオン型の講座が効果的です。
- 発行年を確認する
AI分野は技術の進化が非常に速く、新しい手法やモデルが次々と登場しています。そのため、教材を選ぶ際には発行年に注意しましょう。
ただし、中〜上級者向けの書籍においては、いわゆるオライリー本のように、理論と設計思想に重きを置いた良書が長く読み継がれているケースも少なくありません。これらは情報の鮮度よりも本質的な理解を重視した内容が多く、発行年がやや古くても十分に価値があります。
【初心者向け】AI(人工知能)の基本が学べる書籍4選
AI(人工知能)に興味はあるものの、何から始めればよいかわからないという方に向けて、初心者でも理解しやすい入門書を4冊厳選しました。プログラミング未経験者でも安心して読み進められる内容が中心となっており、AI学習の最初の一歩を支えるガイドとして最適です。
1.図解即戦力 AIのしくみと活用がこれ1冊でしっかりわかる教科書

出版日 | 2023年1月4日 |
ページ数 | 256ページ |
読みやすさ | ★★★★☆ |
ハンズオン・演習 | ★☆☆☆☆ |
最新技術への対応 | ★★★☆☆ |
「図解即戦力 AIのしくみと活用がこれ1冊でしっかりわかる教科書」は、AIの基本から応用まで学べる一冊です。AIとは何か、得意分野等の基礎知識から、機械学習・ディープラーニング・統計・データマイニング・自然言語処理・画像認識・生成モデル(GAN)など、実務でも注目される幅広いトピックを網羅しています。
フルカラーのイラストや図解が豊富にあり、視覚的に理解しやすい構成となっています。ただし、専門用語が多く使用されており、プログラミングや統計学の基礎知識がない読者にはやや難解に感じられる可能性があります。
また、本書はAIの仕組みや活用方法を概念的に解説することに重点を置いており、実際に手を動かして学ぶための演習やハンズオン形式の内容は少なめです。
2.いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門

出版日 | 2018年3月22日 |
ページ数 | 192ページ |
読みやすさ | ★★★★★ |
ハンズオン・演習 | ★☆☆☆☆ |
最新技術への対応 | ★☆☆☆☆ |
「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」は、AIについて基礎から学びたい人に向けた、最初の一冊として最適な書籍です。数式や専門用語を避け、誰でも理解できるように書かれています。
ただし、実装・演習や最新技術の習得には向いておらず、本書を足がかりに、次のステップとして技術書や実践書へ進むための入門書として利用しましょう。
3.超AI入門―ディープラーニングはどこまで進化するのか

出版日 | 2019年2月27日 |
ページ数 | 176ページ |
読みやすさ | ★★★★☆ |
ハンズオン・演習 | ★☆☆☆☆ |
最新技術への対応 | ★☆☆☆☆ |
「超AI入門―ディープラーニングはどこまで進化するのか」は、AI技術の仕組みだけでなく、「人間とは何か」「AIと社会の関係」といった哲学的テーマにも踏み込んだ一冊です。
理系的な解説というよりは、人文学的・思索的な構成が特徴で、著者・松尾豊氏の視点が色濃く表れています。
4.教養としてのAI講義 ビジネスパーソンも知っておくべき「人工知能」の基礎知識

出版日 | 2021年2月11日 |
ページ数 | 468ページ |
読みやすさ | ★★★☆☆ |
ハンズオン・演習 | ★☆☆☆☆ |
最新技術への対応 | ★★★☆☆ |
「教養としてのAI講義 ビジネスパーソンも知っておくべき「人工知能」の基礎知識」は、AIの基礎知識から、画像認識、ゲーム学習、自然言語処理まで、幅広いテーマが網羅されている入門書です。後半部分の「質問セクション」では、自動運転車の普及やAIによる失業、コンピュータの創造性など、私たちの日常生活や未来に関わるテーマにも言及されています。
本書は、世界的名著「ゲーデル, エッシャー, バッハ あるいは不思議の環」の著者の愛弟子であるメラニー・ミッチェルによって執筆されています。そのため、内容自体は充実していますが、翻訳文特有の硬さや直訳的な言い回しが読みづらさにつながるとの声もあります。
【中級者向け】AI(人工知能)の専門知識が身につく書籍4選
次に、AIの基礎をひと通り学んだ方や、業務でAIに触れ始めた人向けのより専門的な知識と理解を深められる4冊をご紹介します。
1.エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説

出版日 | 2019年1月21日 |
ページ数 | 288ページ |
読みやすさ | ★★★★☆ |
ハンズオン・演習 | ★★☆☆☆ |
最新技術への対応 | ★★☆☆☆ |
「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説」は、初心者からAIの基礎を既に持つ中級者向けのガイドブックです。
ディープラーニングの登場以降の動向、現在のAI技術の全体像、そして将来のAI活用イメージを3部構成で解説しています。
著者の梅田弘之氏は、日本初のAI製品を開発・販売してきた経験を持つエンジニアであり、実践的な視点からの解説が詰まっています。
2.独学プログラマーのためのAIアプリ開発がわかる本

出版日 | 2019年3月18日 |
ページ数 | 199ページ |
読みやすさ | ★★★★★ |
ハンズオン・演習 | ★★★☆☆ |
最新技術への対応 | ★☆☆☆☆ |
「独学プログラマーのためのAIアプリ開発がわかる本」は、「まず1つ、アプリを完成させたい」人に最適な書籍です。GASを使い、LINEとGoogle Cloud Vision APIを連携させた「文字起こし君」の開発を通じて、Web API活用の基本やアプリ構成の流れを学ぶことができます。
一方で、本書で扱われている「AIアプリ開発」は、あくまで既存のAIサービス(OCR)を活用したアプリ構築に焦点を当てた内容です。AIモデルの構築や機械学習の理論を学ぶものではなく、「AIを作る」のではなく「AIを使ってみる」という体験が中心です。そのため、AI技術の全体像を学びたい方よりも、まずは手を動かして成果物を得たい方に適した一冊です。
3.[改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門

出版日 | 2021年7月17日 |
ページ数 | 256ページ |
読みやすさ | ★★★★☆ |
ハンズオン・演習 | ★★★☆☆ |
最新技術への対応 | ★★★☆☆ |
「[改訂新版]ITエンジニアのための機械学習理論入門」は、中級者やエンジニア向けの書籍です。Pythonを用いた実践的な内容が特徴で、Google Colaboratoryを使用したコーディング環境が提供されています。
改訂版である本書は、初版から5年経過し、全面カラー化と最新の内容でアップデートされており、機械学習の基本的な理論から最新のトピックまで幅広くカバーしています。カラー化による視覚的な理解のサポートや、実践的なテクニックの紹介も本書の魅力です。機械学習の理論を深く学びたいエンジニアにおすすめの一冊です。
4.AIエンジニアを目指す人のための機械学習入門

出版日 | 2020年4月13日 |
ページ数 | 256ページ |
読みやすさ | ★★★★☆ |
ハンズオン・演習 | ★★★★☆ |
最新技術への対応 | ★★★☆☆ |
「AIエンジニアを目指す人のための機械学習入門」は、機械学習の基礎を実装ベースで学びたい読者に適した実践型の入門書です。Pythonとscikit-learnを使ったサンプルコードを通して、アルゴリズムの仕組みと動作の流れを体験的に理解できる構成となっています。
難易度としては完全な初心者向けというよりも、Pythonや基礎的な数学知識をある程度備えた読者を想定しており、初学者から現場を目指す中級者まで、幅広くカバーしています。
【上級者】AI(人工知能)の実装スキルが身につく書籍4選
最後に、より専門性の高い理論や技術を扱った上級者向けの書籍を紹介します。
1.ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

出版日 | 2016年9月24日 |
ページ数 | 320ページ |
読みやすさ | ★★★☆☆ |
ハンズオン・演習 | ★★★★★ |
最新技術への対応 | ★★☆☆☆ |
「ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」は、NumPyのみを用いてニューラルネットワークを一から構築することで、内部動作や数理的な仕組みを深く理解できる実装型の書籍です。
誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワーク、ハイパーパラメータの調整や最新のトレンドまで、実践的なテクニックを網羅しています。後半は高度な内容が続き、読解には一定の数学力が求められますが、ライブラリの背後にある原理を体系的に学べる一冊として、今も多くの技術者に支持されています。
2.ゼロから作るDeep Learning 5 ―生成モデル編

出版日 | 2024年4月10日 |
ページ数 | 336ページ |
読みやすさ | ★★★☆☆ |
ハンズオン・演習 | ★★★★☆ |
最新技術への対応 | ★★★★★ |
「ゼロから作るDeep Learning 5 ―生成モデル編」は、生成モデルの全体像を実装ベースで学べる上級者向けの一冊です。特に、EMアルゴリズムやVAE、拡散モデルといった技術が、ELBOやKLダイバージェンスといった共通の考え方を軸に解説されています。また、AIとして人気の高いStable Diffusionの仕組みにも触れることができます。
生成AIを理論的に学習したい方に適した一冊です。
3.[第3版]Python 機械学習プログラミング

出版日 | 2020年10月22日 |
ページ数 | 688ページ |
読みやすさ | ★★☆☆☆ |
ハンズオン・演習 | ★★★★★ |
最新技術への対応 | ★★★★☆ |
「[第3版]Python 機械学習プログラミング」は、機械学習のコンセプトを幅広く網羅したベストセラーの書籍です。本書は、分類や回帰から、深層学習、強化学習に至るまでの機械学習の理論とPythonを用いた実装を詳細に解説しています。第3版では、TensorFlow 2.x対応への刷新、GANと強化学習の新章追加など、最新技術にも対応しています。
AIを業務に活用したい上級者や開発エンジニアにとって、機械学習の理論と実践を体系的に深く学べる一冊です。
ただし、内容を十分に理解するためには、微積分・線形代数といった数学の基礎知識に加え、Pythonの知識も必要となります。
4.シリコンバレー一流プログラマーが教える Pythonプロフェッショナル大全

出版日 | 2022年8月16日 |
ページ数 | 480ページ |
読みやすさ | ★★★★★ |
ハンズオン・演習 | ★★★★☆ |
最新技術への対応 | ★★★☆☆ |
「シリコンバレー一流プログラマーが教える Pythonプロフェッショナル大全」は、現役のシリコンバレーエンジニアである酒井潤氏が執筆した、現場志向のPython解説書です。
エンジニアとしてのキャリア形成や、効果的な独学方法に関するコラムも収録されており、実務に直結する知識を得ることができます。
本書は、業務レベルでAIやPythonを活用したいエンジニアにおすすめの一冊です。
AI学習に役立つ学習サイトおすすめ5選
書籍以外にも、近年では動画などで学習できるサイトやコンテンツが増えています。書籍だけでは理解しきれない方も実際の開発画面を見ながら学習すると、より理解が深まります。ここでは、AI学習に役立つ学習サイトを5つ紹介します。
Coursera

Coursera(コーセラ)は、世界中の大学や企業が提供するオンラインコースを受講できる学習プラットフォームです。世界中の有名大学や機関と提携し、多岐にわたるコースや専門職の資格プログラムを提供しています。データサイエンスや数百以上のAI関連コースが存在。基礎から専門的な内容まで幅広く学べます。
- 日本語利用: 一部のコースに日本語の字幕や資料が提供されています
- おすすめの層: 初心者から上級者まで
AI Academy

AI Academy(エーアイアカデミー)は、AIの基礎から応用までを学べる、日本国内でのAI教育を専門とする学習プラットフォームです。 AIの基礎から実践的なカリキュラム、企業との連携による実習など、実務での活用を目的に幅広い学びを得られます。
- 日本語利用: サイト全体が日本語で提供されており、日本人向けのカリキュラムが組まれています。
- おすすめの層: 初心者から中級者
Udacity

Udacity(ユダシティ)は、ナノディグリーと呼ばれる短期集中型のプログラムを提供しています。 AIや機械学習の基礎学習から、ディープラーニングなどの専門的なプログラムが豊富に備わっているのが特徴です。より高度なAI技術を身につけたい方に最適なサービスといえます。
- 日本語利用: 一部のコースに日本語のサポートや字幕が用意されています。
- おすすめの層: 中級者から上級者
edX

edxは、世界のトップクラスの大学と提携し、多岐にわたる無料のオンラインコースを提供する学習プラットフォームです。ビジネス、コンピュータサイエンス、データサイエンスなどの分野でのコースが充実しています。AIやデータサイエンスの基礎から専門的な内容まで幅広く学べるでしょう。
- 日本語利用: 一部のコースに日本語の字幕や資料が提供されています。
- おすすめの層: 初心者から上級者
Udemy

Udemy(ユーデミー)は、世界中の講師が提供する多岐にわたるオンラインコースを受講できるオンライン学習プラットフォームです。プログラミングやビジネス、デザインなど多岐にわたるジャンルのコースがあり、AI関連においても入門コースから実践的なコースまで多数存在します。
- 日本語利用: 日本語のコースも多数あり、サイトのインターフェースも日本語に対応しています。
- おすすめの層: 初心者から中級者
まとめ
本記事では、AI学習に役立つ書籍12選を紹介しました。AIの学習を進めるには、自分のレベルや目的に合った教材選びが重要です。ぜひ本記事を参考に、自分に最適な書籍を選び、学習をスタートさせてください。
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