トリップアドバイザーといえば、全世界のホテルや宿泊施設の評価・料金、航空券、レストランにいたるまで、旅行に関するあらゆる情報を網羅した旅行ポータルサイトです。
トリップアドバイザーには約800万件の宿泊件数が掲載されており世界最大規模の情報量を誇るため、スクレイピング技術を使って掲載データを自動収集すれば、旅行データベースとしても活用できます。
しかし、スクレイピングはプログラミング経験がないと難しいのではないか?と考える方も多いでしょう。そこで役立つのがWebスクレイピングツールです。今回は、プログラミング経験を持たない方でもかんたんにトリップアドバイザーのホテル情報をスクレイピングする方法を解説します。
ホテル情報を自動収集(スクレイピング)するメリット
トリップアドバイザーには、全世界各地のホテル情報が掲載されており旅行ポータルサイトとしては、世界最大規模の掲載ホテル数を誇ります。これらのホテル情報を収集することで、あらゆる用途に活用できます。
具体的なメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
- 各地域のホテル価格を把握できる
- 新しくオープンしたホテルのリサーチに活用できる
- 人気が高まっているホテルを把握できる
このように、ホテル情報を大量に集め、いわゆるビッグ・データとして分析・検証することで、旅行プランの作成、ホテル選択、その他の旅行ビジネスのリサーチなど、あらゆる場面で役立てることが可能です。
こうしたホテル情報を手作業で収集するのは現実的ではありません。特にホテルの価格や予約状況は常に変動するため、なるべく短いサイクルで情報を更新し続ける必要があります。そこで、Webスクレイピングを活用すれば、ホテル情報を自動収集でき、取得データを常に最新に保つことが可能です。
ホテル情報収集に役立つWebスクレイピングとは
Webスクレイピングとは、特定のWebサイトから情報を自動的に収集するコンピューター技術のことを指します。これは、Webサイトに存在する巨大な情報の海から、特定のデータだけを取り出すという作業をコンピューターが自動的に行う仕組みです。これを可能にするのが、一種のロボットである「サイトクローラー」です。サイトクローラーはWebページを探索し、指定した特定の情報を収集してくれます。
インターネット上には毎時何十億ものデータが生まれ、それらは一瞬で増え続けています。このような膨大なデータの中から、企業や組織が必要とする情報を素早く、効率的に集めるためにWebスクレイピングが活用されます。
データを自動的に大量に収集するこの技術は、現代のデータドリブンなビジネスシーンでますます重要性を増しています。特に、ビジネスの決定を裏付けるデータを効率よく取得するためにWebスクレイピングは大いに活用されています。Webスクレイピングについて、詳しく学びたい方は以下の記事も参照してみてください。
参考:Webスクレイピングとは?基本や仕組み、活用事例まで解説
Webスクレイピングなら「Octoparse」が便利
Webスクレイピングは、ビジネスにおいて有効な手段となる一方、プログラミングの知識が必要とされるため敷居が高いと感じる方も少なくないでしょう。そこで役立つのが「Webスクレイピングツール」です。このツールはプログラミング技術が一切不要で、直感的なマウス操作だけでスクレイピングを実行することが可能です。
数あるWebスクレイピングツールの中で、特に支持を集めているのが「Octoparse(オクトパス)」です。Octoparseは、誰でも簡単にWebスクレイピングを行うことができるよう設計されています。特に、ノーコード(コードを書くことなく操作する)機能を搭載しているため、ITに詳しくない方でも手軽に使用できます。
Octoparseは、Webスクレイピングに必要な機能が揃っており、さまざまなWebサイトからデータを取得するための「テンプレート」も豊富に用意されています。たとえば、トリップアドバイザーのテンプレートを利用すれば、設定や操作は最小限に抑え、効率よくホテルの価格情報を収集することができます。これにより、大量のデータを手軽に収集し、ビジネスに活用することが可能となります。
Octoparseを使ってトリップアドバイザーから旅行情報を集める方法
このセクションでは、WebスクレイピングツールOctoparseを活用し、トリップアドバイザーから旅行情報を収集する流れをご紹介します。以下の指定条件でホテルの情報を抜き出す手法を学びましょう。
対象エリア:北海道
チェックイン:8月11日
チェックアウト:8月13日
スクレイピング対象のURL:
ステップ1. スクレイピングを行いたいWebページのURLを取得
まず、トリップアドバイザーのWebサイトにアクセスします。該当ページを開き、そのURLをコピーします。
ステップ2. Octoparseを起動し、トリップアドバイザーのテンプレートを選択
Octoparseを立ち上げたら、トップ画面から「テンプレートタスク」を選びます。
トリップアドバイザーのテンプレートを探すために、右上の検索窓に「tripadvisor」と入力します。ここでは、「[JP]ホテルリスト_TripAdvisor」のテンプレートを使います。
テンプレートの概要と使用方法が記されている画面が表示されますので、それらを確認した後、「今すぐ試す」をクリックします。
ステップ3. スクレイピングタスクを開始
選択したテンプレートが開いたら、先程コピーしたトリップアドバイザーのURLを貼り付けます。URLを入力したら、「保存実行」ボタンを押します。
タスクの実行モードは、「ローカル抽出」または「クラウド抽出」から選べます。クラウド抽出はOctoparseの有料プランで提供されていますが、ローカル抽出に比べてスクレイピング速度が向上します。しかし、ローカル抽出でも充分にWebスクレイピングの体験ができますので、ご安心ください。
タスクが開始されると、データの抽出が始まります。画面の数値が動いていれば、スクレイピングは順調に進行していることを示します。完了するまで少々お待ちください。
スクレイピングが完了すると「実行が完了しました!」のメッセージが表示されます。「データをエクスポート」をクリックすると、抽出したデータを保存することができます。エクスポート形式はExcel、CSV、HTML、JSONから選べます。
まとめ
今回は、Webスクレイピングの基本的な知識から、Octoparseを使ったトリップアドバイザーからのホテル情報収集方法を学びました。Octoparseを用いれば、プログラミングの知識がない方でも容易にホテルの情報を収集できます。さらに、タスクをスケジュール設定することで、定期的にデータを更新し、価格の変動やトレンドを把握することが可能です。
Octoparseは、手軽にデータ収集を行いたい方にとって理想的なツールです。無料で使用できますので、ぜひ試してみてください。