「ノーコードツールを使って面倒な手入力業務を自動化するアプリを作りたい!」「おすすめのノーコードツールを知りたい!」このような方に向けて、本記事では業務効率化に役立つノーコードツールを紹介します。
ノーコードツールはプログラミング知識やスキルがなくても、簡単に使えることから、すでに多くの企業や個人で利用されています。本記事では、おすすめのツール紹介に加え、ノーコードツールの基礎知識や導入のメリット、注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
業務効率化に役立つノーコード(NoCode)ツールとは?
そもそもノーコードツールとはどういったツールなのか詳しく知りたいという方に向けて、ここではノーコードツールの基本から、近年注目されている理由まで解説します。
非エンジニアでもアプリやWebサービスを作れるサービス
ノーコード(NoCode)とは、言葉のとおりプログラミングを用いずにアプリケーションやWebサービスを作れるサービスを指します。通常、システム開発はJavaScriptやPythonといったプログラミング言語を使って開発しますが、ノーコードの場合はコードを一切使わずに開発する手法です。
ノーコードツールは、主にビジュアルインターフェースを使用しているため、ユーザーはドラッグ&ドロップやテンプレートを利用して、簡単にシステムを構築できます。
実際に導入している企業では、プログラミングスキルを持たない非エンジニア人材が、業務アプリケーションを開発し、従来手作業で行っていた業務の自動化を実現しています。
ノーコード(NoCode)ツールが注目される理由
現在、数多くの企業がノーコードツールを活用した業務改善に着手しはじめています。その理由は大きく2つあります。
- 労働生産性の改善
- 人材不足の解消
それぞれ詳しく解説します。
労働生産性の改善
日本の労働生産性は先進国の中でも低いことが指摘されています。日本生産性本部の調査によると2020年の国内労働生産性はOECD加盟38カ国中23位。2019年の21位からさらに順位を落としています。現在の働き方には無理・無駄が多いといわれており、それらをノーコードツールの活用によって解消されることが期待されています。
人材不足の解消
ノーコードツールを活用することで、人材不足の解消に役立ちます。現在、日本は少子高齢化の影響により年々労働人口が減少し続けており、多くの業界・業種で人材不足に直面しています。
そこで業務上のプロセスを見直し、人がやらなければならない部分と自動化・効率化が出来る部分を分け、後者をITツールに任せることによって人材不足解消が期待されています。
ノーコードツールの導入メリット
ノーコードツールは、企業が抱えるさまざまな問題の解消に向けて、活用が期待されています。主なメリットは、次のとおりです。
- 専門スキルが不要
- 手作業を自動化できる
- 低コストで導入が可能
開発速度の向上
ノーコードツールを使用することで、ソフトウェアやアプリケーションの開発速度が飛躍的に向上します。これらのツールはプログラミングの知識が不要で、ドラッグ&ドロップやテンプレートを利用して直感的に操作できるため、開発プロセスが大幅に簡略化されます。
従来の開発方法では、コーディングやデバッグに多くの時間を費やす必要がありましたが、ノーコードツールを使用することで、迅速にプロトタイプを作成し、短期間でリリースまで持っていくことができます。結果として、市場投入までの時間を短縮し、競争力を高めることが可能です。
コスト削減
従来の開発方法に比べて、ノーコードツールを使用することで開発コストを大幅に削減できます。プログラマーを多く雇う必要がなく、少人数のチームでも高品質なシステムを構築することが可能です。
特に、ノーコードツールは操作が簡単であるため、非技術者でもアイデア次第でアプリケーションを開発できます。各部門が今まで手作業で行っていた業務を自動化することで、生産性が大幅に向上し、人件費の削減にもつながるでしょう。
柔軟性と拡張性
ノーコードツールは、業務のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点が大きな特徴です。具体的には、ユーザーは自身のビジネスプロセスに応じて、必要な機能を簡単に追加したり、レイアウトを変更したりすることができます。
また、多くのノーコードツールは他のツールやシステムとの連携機能を備えており、APIを介して他のソフトウェアと統合することが容易です。これにより、既存のIT環境にスムーズに導入でき、システム間のデータ連携もスムーズに行えます。
ノーコードツールを利用する際の注意点
ノーコードツールは便利ですが、導入や利用の際にはいくつかの注意点もあります。ノーコードツールのメリットを最大限に活用するためにも、あらかじめ注意点を理解しておくことが大切です。
目的や用途にあったツールを選ぶ
ノーコードツールは多種多様で、それぞれに特性があります。自社の業務やプロジェクトに最適なツールを選定することが重要です。適切なツールを選ぶためには、まず自社のニーズを明確にし、そのニーズに合った機能を持つツールを探す必要があります。
例えば、データ管理が主な目的であれば、データベース機能を備えたツールが適しています。さらに、使いやすさや見やすさといったユーザーインターフェースもあらかじめ確認すべきポイントです。ツールが使いやすければ、導入後の教育コストやトレーニング時間を削減できるでしょう。
また、ツールに問題が発生した際に迅速かつ適切なサポートが受けられるかどうかも重要な判断基準です。このように、ツールの選定は慎重に行い、自社に最適なものを選ぶことが成功の鍵となります。
セキュリティリスクがある
ノーコードツールを使用する際には、セキュリティ面にも注意が必要です。特に、クラウドベースのツールを利用する場合、データの保護やプライバシーに関する規約を確認し、適切な対策を講じることが求められます。
なぜならクラウド環境では、データが外部サーバーに保存されるため、不正アクセスやデータ漏洩のリスクが伴うことがあるためです。ツールを選ぶ際には、提供元のセキュリティ対策や認証機能を確認し、信頼できるベンダーを選定しましょう。
また、利用者自身もセキュリティ意識を持ち、適切なパスワード管理やアクセス権限の設定を徹底することが求められます。このように、セキュリティリスクを十分に理解し、対策を講じることで、安心してノーコードツールを利用することができます。
スケーラビリティ(拡張性)に限界がある
ノーコードツールは小規模なプロジェクトや簡単なシステムには適していますが、大規模なシステムや複雑な要件には限界があります。ノーコードツールは迅速にプロトタイプを作成し、シンプルなアプリケーションを構築するには非常に有効ですが、スケーラビリティの面では制約があります。
大規模なデータ処理や高度なカスタマイズが必要な場合、ノーコードツールでは対応しきれないことがあります。そのため、ノーコードツールで基本的な機能を構築し、より高度な部分はエンジニアに依頼して開発すると良いでしょう。
このように、ノーコードツールの利便性を最大限に活用しつつ、必要に応じて柔軟に対応することで、最適なシステムを構築することが可能です。
業務効率化におすすめのノーコードツール
ノーコードツールの数は多岐に渡ります。効率化したい業務をあらかじめ検討した上で、最適なツールを選択しましょう。ここでは業務効率化におすすめのノーコードツール10選をご紹介します。
Octoparse|データの自動収集
Octoparse(オクトパス)は、Webスクレイピングツールで、コード不要でデータ抽出を自動化できます。ユーザーは、複雑なWebサイトから必要なデータを簡単に収集し、さまざまなフォーマットでエクスポートできます。これにより、データ収集作業を大幅に効率化することが可能です。
特長
- 簡単な操作でデータ抽出が可能:ユーザーフレンドリーなインターフェースにより、プログラミング知識がなくてもデータ抽出ができます。
- 複雑なWebサイトからもデータ収集ができる:動的なWebサイトや複雑なページ構造を持つサイトからもデータを抽出できます。
- データのスケジュール抽出機能が充実:定期的にデータを自動抽出するスケジュール機能を搭載しています。
Notion|ワークスペースの統合管理
Notion(ノーション)は、オールインワンのワークスペースツールで、ノート、タスク管理、データベースなどを一元管理できます。柔軟なカスタマイズが可能で、個人からチームまで幅広く利用されています。
特長
- 柔軟なページ構造で情報を整理:ノートやタスク、データベースなどを自由にレイアウトできるため、情報の整理がしやすいです。
- タスク管理機能が充実:プロジェクトの進行状況を視覚的に把握でき、タスクの管理が効率化されます。
- チームコラボレーションに最適:リアルタイムでの共同編集やコメント機能を備え、チームのコミュニケーションを円滑にします。
Airtable|データ管理
Airtable(エアテーブル)は、スプレッドシートとデータベースの融合ツールで、コード不要でデータ管理が可能です。ビジュアルインターフェースを通じて、データを直感的に操作でき、多彩なテンプレートが利用できます。
特長
- 直感的なインターフェース:ユーザーがスプレッドシート感覚でデータを操作できる使いやすいインターフェースです。
- 強力なデータベース機能:データのリレーションやフィルター、ソート機能が充実しており、複雑なデータ管理も簡単に行えます。
- 多彩なテンプレートが利用可能:プロジェクト管理や顧客管理など、さまざまな用途に応じたテンプレートが提供されています。
kintone|業務アプリ開発
kintone(キントーン)は、業務アプリを簡単に作成できるプラットフォームです。ノーコードで業務プロセスをデジタル化し、データの可視化やチーム間のコラボレーションを促進します。
特長
- ノーコードで業務アプリを作成:プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップで業務アプリを作成できます。
- データの可視化が容易:グラフやチャートを使ってデータを視覚的に表示し、分析を容易に行えます。
- チーム間のコラボレーションを促進:リアルタイムでのデータ共有やコメント機能を備え、チームの協力を強化します。
Bubble|Webアプリ開発
Bubble(バブル)は、Webアプリをノーコードで開発できるプラットフォームです。高度なカスタマイズが可能で、複雑なWebアプリケーションも容易に構築できます。
特長
- 高度なカスタマイズが可能:ユーザーが自由にデザインや機能をカスタマイズできるため、独自のアプリケーションを作成できます。
- APIとの連携が容易:外部サービスとの連携が簡単にでき、複雑なアプリケーションも構築可能です。
- リアルタイムプレビュー機能:開発中にリアルタイムで変更をプレビューできるため、即座にフィードバックを得られます。
AppSheet|業務アプリ開発
AppSheet(アップシート)は、Googleが提供するノーコードアプリ開発ツールで、スプレッドシートからアプリを作成できます。データを元にアプリケーションを自動生成し、複雑な業務ロジックも簡単に実装できます。
特長
- スプレッドシートと連携:Google スプレッドシートと直接連携し、データをもとにアプリを作成できます。
- AI機能を搭載:AIを活用して、自動でデータを分析し、効率的なアプリを作成します。
- 複雑なロジックも簡単に実装:ドラッグ&ドロップで複雑なロジックを構築でき、プログラミングなしで高度なアプリを作成可能です。
Zapier|ワークフロー自動化
Zapier(ザピアー)は、異なるアプリ間のワークフローを自動化できるツールです。コード不要で多数のアプリケーションを連携させ、業務プロセスを自動化します。
例えば、「受信したGmailの添付ファイルをGoogleドライブに保存する」「Facebookにメッセージが届いたら自動返信する」といったことも可能です。
また、ZapierはスクレイピングツールのOctoparseとの連携も可能です。Octoparseで取得したデータをGoogleドライブやスプレッドシートに自動でエクスポートし、データ入力の手間を削減します。詳しくはこちらをご覧ください。
Zapierを介してデータをGoogle Sheetに保存する方法
主な用途:
- ワークフローの自動化
- 入力業務の自動化
Lark|スーパーアプリ
Lark(ラーク)は、チャット、カレンダー、ドキュメントなどを統合したコラボレーションツールです。すべてのコミュニケーションを一元化し、チームの効率を最大化します。
特長
- すべてのコミュニケーションを一元化:チャット、ビデオ会議、ドキュメント共有など、すべての機能を一つのプラットフォームで提供します。
- 強力なドキュメント編集機能:リアルタイムでの共同編集やバージョン管理が可能です。
- 無料で多機能なツールセット:多くの機能が無料で利用でき、小規模チームにも最適です。
サスケWorks|業務アプリ開発
サスケWorksは、業務効率化のためのノーコードツールです。顧客管理アプリ、稟議申請アプリ、売上分析アプリなど、目的に合わせてさまざまなアプリを作成できます。柔軟なカスタマイズが可能で、業界や組織規模を問わず、あらゆる業務プロセスに対応します。
特長
- 目的にあわせて作成可能:顧客管理、案件管理、進捗管理など、やりたいことにあったアプリを作成できます。
- 柔軟なカスタマイズが可能:自社の業務フローに合わせて、自由に機能を追加・変更できます。
- 作成アプリの販売が可能:作成したアプリは公式アプリストアで販売が可能です。
Adalo|モバイルアプリ開発
Adalo(アダロ)は、モバイルアプリをノーコードで開発できるプラットフォームです。直感的なインターフェースで、短時間で高品質なモバイルアプリを作成できます。
特長
- 直感的なインターフェース:ドラッグ&ドロップで簡単に操作できるため、初心者でもすぐにアプリ開発を始められます。
- 多彩なテンプレート:豊富なテンプレートが用意されており、目的に応じて適切なデザインを選べます。
- リアルタイムでプレビュー可能:アプリを作成しながら即座にプレビューできるため、開発プロセスがスムーズに進みます。
まとめ|ノーコードツール活用で業務効率を格段にアップ
本記事では、ノーコードツールの基本やメリットから、業務効率化におすすめのノーコードツール10選まで解説しました。
今まで、業務アプリケーションやWebサービスを開発する場合は、プログラミングスキルの習得が必要でした。しかしノーコードツールを使えば、誰でも手軽にシステム開発が可能です。
今まで手作業で行っていた業務を効率化させることで、空いた時間を使ってより付加価値の高い仕事に専念できるでしょう。今回ご紹介したノーコードツールの中には、無料で使えるツールもあるため、まずは実際に触れてみてください。