自社ブランドを販売しているので商品の印象やお客様の反応が気になっている、開発案件のためにもっと正確に需要を予測して消費者の声を販売計画に反映していきたい、潜在ニーズやトレンドが知りたい、人々が何に困っていて、何を求めているのか調査したい…。
Twitterには毎日、全世界から何百万人ものユーザーが、顔出しなし、無記名で投稿したり閲覧したりを繰り返しています。その数は、全世界で月間3億3000万人以上といわれており、日本だけでも月4500万人もの人が利用しています。
これらのデータをもし簡単に収集して分析できるとしたら、試してみたいと思いませんか?今回はTwitterの投稿の中に良く見かけるハッシュタグを利用したデータ分析方法についてご紹介します。
1.X(Twitter)のハッシュタグとは
ハッシュタグと検索機能の違い
Twitterには下記の通り「キーワード検索」という機能があります。
この「キーワード検索」には2つの使い方があります。
- 直接キーワードを入れて検索する
- ハッシュタグを付けてキーワードを検索する
検索結果にはどんな違いが出るのかというと、直接キーワードを入れて検索した場合、入力したキーワードを含む全ての投稿が一覧で表示されます。ハッシュタグを付けてキーワードを検索した場合は、Twitter内で同じハッシュタグを使った投稿のみが一覧に表示されます。つまり、ハッシュタグを付けてキーワードを検索した場合、ハッシュタグがついていない投稿は一覧に表示されないのです。
例えば、口コミで人気のカフェがあったとします。多くの人が気になるのは「場所はどこなのか?」「店内の様子はどんな雰囲気なのか?」「どんなメニューがあるのか?」お店の詳細情報になるはずです。
しかしTwitterの検索機能欄に直接キーワードを入れて検索すると「カフェに行って美味しかった!」「○○ちゃんと一緒で楽しかった!」「今度訪れてみたい」など、まるでblogの感想のような、ほとんどビジネスに役に立たない情報まで拾ってしまいます。
しかしハッシュタグを付けてキーワードを検索した場合は、これからカフェを訪問したいと思っている人のことやお店に対してのメッセージを想定して投稿されているケースが多く、お店の画像やリンク、メニューや地図情報に加えて、お店に対する感想(○○が美味しいからおすすめ、食べて見て具体的にどんな味だったのか、接客はどうだったのか)などが掲載されている確立が高くなります。
つまり、闇雲にキーワード検索してデータを収集するよりも、#(ハッシュタグ)を使った投稿に絞った方が、よりビジネスに活用できる情報が得られるのです。
2.X(Twitter)のハッシュタグを分析するメリット
Twitterの投稿を見ていると、約90%の人がハッシュタグを使っていることが分かります。これだけ多くの人が利用しているのなら、何かに使うことはできないのでしょうか。実は、Twitterのハッシュタグは収集することで、様々な分野の課題解決やビジネスチャンスに活用することができます。
・トレンドを把握する
・世間のニーズや影響力の大きさを分析する
・口コミを収集する
・市場の傾向をキャッチする
・商品やサービスの開発や効果的なプロモーションの改善に繋げる
トレンドを把握する
ハッシュタグの急上昇の傾向や新規出現ワードをキャッチすることで、最新の話題や世界的に議論されているトピックが特定できます。特定したトピックのハッシュタグを活用すれば、企業の商品やサービスをより多くの消費者層に効果的に宣伝することができるのです。
Twitterにトレンド入りしたハッシュタグが、消費者の行動を変化させた例は多々あり、ハッシュタグを分析してトレンドを把握すれば企業の利益に大きなインパクトを与えることができるでしょう。
世間のニーズや影響力の大きさを分析する
ハッシュタグの使用回数を分析することで、そのハッシュタグについてどれくらいのニーズがあるのか、把握することができます。例えば、あるハッシュタグの利用が増加している場合、それに関連するサービスや商品、情報に対するユーザーのニーズが高まっている可能性があります。
こうした結果はブルーオーシャン市場の開拓に成功をもたらすでしょう。需要や反響の多いハッシュタグを利用して、新たな広告戦略を立てることも可能です。
口コミを収集しブランドポジションを可視化する
ハッシュタグが付いているTwitterの投稿には、口コミが掲載されているケースが多々あります。Twitterの投稿から直接口コミを探し出そうとすると時間と手間が掛かってしまいますが、ハッシュタグの中から口コミを探せば簡単にお客様の生の声を集めることができるのです。
Twitterの口コミには匿名のものが多く、その方がよりリアルな意見となりやすい為、製品、サービス、カスタマーサービスを改善するためにとても役に立つはずです。そのうえで、印象ワードと関係性を分析すれば、競合と自社ブランドのポジショニングが可視化できます。
市場の傾向をキャッチする
関連するビジネスに関する投稿にはどんなものがあるのか、毎日積極的に調査することで、「人々が何を話しているのか」を理解し、一般的な意見、トレンド、ターゲットの総合的な行動についての貴重な傾向をキャッチできます。
さらに、Twitter上でトップインフルエンサーやオピニオンリーダーと交流することで、トレンドが爆発する前にその初期段階を把握することができます。例えば、Twitterで人気のあるハッシュタグは、クリック数やシェア数が多いため、トレンドのハッシュタグを含むツイートを追跡することで、上昇中の市場を特定するのに有効です。
新しいトレンドや会話に目を向けることは、ビジネスにおいてより良い決断を下し、これらのトレンドをいち早く活用することに繋がります。
商品やサービスの開発や効果的なプロモーションの改善に繋げる
Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームで、関連性の高い人気のハッシュタグを探し出すことは、潜在顧客を見つけるのに非常に効果的です。ハッシュタグの調査を行うことで、企業はターゲットから共感を得るためのヒントを発見することができるため、ユーザーを惹きつけるメッセージを継続的に発信しやすくなります。
また、ハッシュタグのエンゲージメント率(コメント、いいね!、保存の合計数をフォロワー数で割った数値)を分析すれば、キャンペーンのパフォーマンスに関する消費者の反応をチェックできます。
さらに、類似製品のハッシュタグを追跡すれば、他社がどのようにして成功したかを観察できます。それらの結果を参考にすることで、自社の製品やサービスの開発およびプロモーションを好ましい方向に調整できるのです。
3.X(Twitter)のハッシュタグを収集する方法
では、実際にTwitterでハッシュタグを調査する方法にはどんなものがあるのでしょうか。次の2種類の方法がおすすめです。
- Twitter で検索する
- スクレイピングツールを利用する
X(Twitter)で検索する
キーワード検索欄に#(ハッシュタグ)付きでキーワードを入力すると、入力したキーワードの投稿一覧が表示できます。
しかしこの方法だと一つ一つ手作業な上に、データは整理されておらず、自分で情報を整理しながら確認することになるため、時間と労力が掛かり過ぎてしまい作業効率が良いとはいえません。
スクレイピングツールを利用する
そこでご紹介したいのがもう一つの「スクレイピングツールを利用する」方法です。Twitterで人気のハッシュタグを検索する際は、手動で一つ一つチェックするのではなく、新しいデータ収集法として注目を集めるスクレイピングツール(Webスクレイピング)がおすすめです。
https://www.octoparse.jp/template/twitter-scraper-by-hashtag
スクレイピングツールとは
スクレイピング(Scraping)は「こする」「かき集める」という意味を持つ英語で、これがIT用語に転じたことにより「特定の目的を持ってデータを抽出する」ということを指すようになりました。
似たIT用語に「クローリング(Crawling)」がありますが、こちらは「はい回る」という意味の「Crawl」という意味を持つ英語で、「巡回してWebの構造や要素を探る」ことを指します。
Twitterのハッシュタグを分析したい場合は、上記2つの内、スクレイピングツールがおすすめです。
4.OctoparseでX(Twitter)のハッシュタグを収集する
スクレイピングツールを使ってみたいけれど、何がおすすめなのか?、どうやって使いこなせばいいのか、迷う方も多いと思います。そこでおすすめしたいのが、スクレイピングツール「Octoparse」です。
Octoparseはとにかく操作がシンプルで簡単で、パソコン操作に慣れていない方でもあっという間に使いこなせてしまいます。Octoparseを使ってTwitterのハッシュタグを分析しデータを収集してみましょう。
Octoparseとは
まず最初にOctoparseの特徴や概要について簡単にご紹介しましょう。便利な機能について知れば、益々使ってみたくなるはずです。
Octoparseの特徴は次の3つです。
- 誰でもWebスクレイピング
- コーディングせずにWebデータを一瞬で取得
- インターネット上の情報を使えるようにデータの価値を最大化
使い方はとっても簡単で、「選ぶ、入力する、抽出」の3ステップのみです。
ステップ1. 様々なSNSテンプレートの中からTwitterを選択する
ステップ2. キーワード、検索時間、タスク名を入力して保存実行
ステップ3. 抽出したデータをエクスポートし保存する
※詳細な使い方についてはこの後ご説明します。
Octoparseは簡単な操作で処理はあっという間に終わる
クリックインターフェース
Octoparseは先端の機械学習アルゴリズムを活用して、データをクリックした瞬間その位置を正しく定めます。内蔵ブラウザでWebサイトを開き、クリックするとスクレイピングが始まります。残りの作業はOctoparseが処理します。
あらゆるサイトに対応
JavaScript、AJAXなど動的なサイトに対応できます。
抽出の情報を入力し、データをクリックすることで、テキスト、URL、画像、またはHTMLなど全部抽出できます。
クラウドサービス
クラウド型プラットフォームでは、6〜20倍の高速抽出が可能です。自動取得したデータはクラウドに保存され、どこでもアクセスできます。ハードウェア保守も不要ですし、ネットワークが中断しても心配する必要はありません。
スケジュール設定が可能
一度作成したタスクは保存しスケジュール設定できます。毎日、毎週、自分の好みに合わせて調節可能です。
データを好きな形式で保存可能
データの抽出が完了すると、自動的にデータを保存するかどうか、選択する画面が表示されます。エクセル、CSVなどお好きな形式を選びましょう。
それでは実際にOctoparseでTwitterのハッシュタグをスクレイピングする方法を試してみましょう。
データ抽出の操作手順 step1
まずOctoparseの公式ページを開いてアプリをダウンロードしアカウントをログインします。すると、上記の画面が開きます。検索バーに「twitter」と入力すると、条件に合うすべてのテンプレートが表示されます。
step2
その中から「Twitter Scraper (by hashtag)」(Topツイートから「いいね数」「リツイート数」「返信数」などのデータを抽出)をクリックすると開きます。
下記の画面が表示されたら、各項目を入力して下さい。
入力が終わったら「保存実行」をクリックして下さい。
「ローカル抽出」か「クラウド抽出」のいずれかを選択する画面が表示されます。データ量が少ない時はローカル抽出を、多い時はクラウド抽出を選択して下さい。クラウド抽出の場合、クラウドで実行して、抽出したデータはクラウドサーバーに保存されます。さらに、連続7×24時間も実行可能、最大20倍のスピードアップ、APIも利用可能です。但し、クラウド抽出は有料プランの契約が必要になります。
上記画面の下に表示される「実行スケジュール」をクリックすると、既存のものを利用するか、新規で作成するかが選択可能です。
今回は「一回のみ」を選択しました。「スケジュール起動」をクリックすると、下記の画面が表示されます。
数分待つと、下記のようにデータが抽出されました。
次にデータの保存形式を選択します。
以上で、Twitterの人気ハッシュタグを収集する方法は終了です。
まとめ
数あるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の中でも、日本人と相性が良いといわれているTwitter。そんなTwitter事業において日本は世界で2番目の市場にまで拡大しています。そこに集まるデータは宝の山、活用すれば、生活者の生の声が拾えたり、行動が把握できたり、日々の変化に気が付くことができるでしょう。
Octoparseを使ってそれらを素早く収集し、ビジネスシーンで現状抱えている課題を解決するヒントにしながら、新たなビジネスチェンスに繋げていきましょう。