リスト作成やデータの取りまとめをする際に、Excelを使っている方も多いでしょう。しかし、元となるデータ収集は手作業で行う必要があります。Webサイトなどから取得したデータをExcelにコピー&ペーストするのは手間と時間を要するため、面倒に感じる方も多いでしょう。
そこで本記事では、Webサイトからデータを自動的にExcelに取り込む方法をご紹介します。データ収集に費やす時間と労力を節約できれば、その分、データ分析や検証に時間を使えるので、ぜひ参考にしてください。
Webスクレイピング入門
Webスクレイピングは、WebデータをExcelに素早く取り込む最もかんたんな方法です。特に、Webスクレイピングツールを使えば、プログラミング知識がなくとも大部分をマウス操作だけで設定可能です。特定のWebサイトから任意のデータを自動で抽出し、Excelにエクスポートができます。
Webスクレイピングとは
Webスクレイピングは、Webページから情報を自動的に取得・抽出する技術のことを指します。この技術は、人間が手動でWebページを閲覧して情報をコピー&ペーストする代わりに、サイトクローラーと呼ばれるコンピューターボットを使用して大量のデータを効率的に収集するために利用されます。
特に、大量の情報が掲載されているWebサイトや、頻繁に更新されるデータベース等から情報を取得したい場合に有効です。Webスクレイピングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
参考:Webスクレイピングとは?基本や仕組み、活用事例まで解説
Octoparseとは
Octoparse(オクトパス)は、Webスクレイピングを簡単に行うためのWebスクレイピングツールの一つです。プログラミングの知識がなくても、ノーコードで直感的な操作だけでWebページからデータを抽出できます。特に、繰り返しパターンを持つWebページや、複雑なWebサイトの構造からも効率的にデータを取得することが可能です。
また、Octoparseはクラウドベースのサービスであるため、大量のデータを高速に収集できます。さらに、定期的なデータの更新や複数のWebページからの情報収集など、多様なシナリオにも対応しています。
さらに、Octoparseにはスクレイピングテンプレートが豊富に備わっているため、わずかな手順を踏むだけで、スクレイピングを実行できます。高性能でありながらも、無料から利用できるので、個人のビジネスパーソンの業務効率化に役立つツールです。
Octoparseを使ったデータ取得方法
ここでは例として、X(Twitter)で「Octoparse」に関するポストデータを取得する手順を解説します。
1.Octoparseを立ち上げ、テンプレートタスクをクリックします。
2.テンプレートギャラリーの右上にある、検索窓に「Twitter」と入力します。すると、X(Twitter)関連のテンプレートが表示されるので、その中から「Twitter Scraper(by keywords)」を選択します。
2.抽出するキーワード、抽出するポストの期間(開始日、終了日)を入力します。すべての入力が完了したら「実行」をクリックします。
3.データ抽出が開始されるので、完了まで少しの間待ちます。実行が完了したらデータをエクスポートします。形式は、Excel・CSV・HTML・JSONから選択可能です。
4.以上でデータ抽出が完了です。実際にExcelでエクスポートしたデータは以下のように表示されます。
Webクエリでデータ取得
Webページからデータをコピー&ペ―ストすることを除き、Webクエリは標準的なWebページからデータをExcelに取り込む際に使用します。インターネット上のさまざまなデータをExcelの表として取り込み、自由に加工ができます。
さらに、インターネット上のデータが更新されれば、Excel上のデータも自動的に更新させることができます。
Webクエリを取り込む手順
1.データを取り込みたいWebサイトのURLをコピーします。今回はYahoo!ファイナンス「株式ランキング」のデータを取得します。
2.Webクエリを取得するには、「クエリファイル」の用意が必要です。拡張子「iqy」ファイルを探し、元々あるファイルをコピーし、テキストエディタで取得したURLを記載し保存しましょう。
3.Excelを開き、「データ」 → 「外部データの取り込み」→ 「Webクエリの実行」を選択します。
4.すると、Queriesフォルダが開くので、先ほど作成したクエリファイルを選択し、「データ取り出し」をクリックします。
5.取り込み先のセルを選択して[OK]ボタンをクリックします。
6.Webクエリが実行され、データが取得できました。
Excel VBAを用いた自動化
WebデータをExcelに自動で取り込む方法の一つに、Excel VBAを活用した自動化があります。プログラミングの知識や経験がない方でもVBAは簡単に操作できますので、日常業務の効率化に役立ちます。
ここでは、VBAの概要とメリット、実際のデータ取得の手順について詳しく見ていきましょう。
VBAとは?その概要とメリット
VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Office製品に組み込まれているプログラミング言語であり、特にExcelでの自動化に利用されます。VBAを使うことで、通常は手作業で行うような複雑な処理を自動化できるため、業務の効率化に役立ちます。
たとえば、Webサイトからデータを取得し、それをExcelに取り込む作業も、VBAのスクリプトを作成することで、自動的に行うことが可能です。
VBAのメリットは、プログラミングの知識が少ない人でも比較的簡単に学べる点です。また、Excelとの統合が容易なので、特定のタスクを自動化したり、複数のシートやブック間でのデータ処理を効率化できる点も大きなメリットです。これにより、手作業でのミスを減らし、正確なデータを迅速に処理できるようになります。
Excel VBAを用いたデータ取得の手順
1. VBEを起動する
- Excelを開き、「開発」タブをクリックします。
- 「Visual Basic」をクリックして、VBE(Visual Basic Editor)を起動します。
注意:初期設定時は「開発タブ」が隠れている場合があります。VBAを使用する前は、以下の手順に沿って開発タブを表示させてください。
「ファイル」→「オプション」→「Excelのオプション」の順にウィンドウを開きます。続いて「リボンのユーザー設定」→メインタブの「開発」にチェックを入れます。
2. 標準モジュールを挿入する
続いて、コードを記述するための標準モジュールを挿入します。
- VBEの左側にあるプロジェクトエクスプローラーを右クリックします。
- 「挿入」から「標準モジュール」を選択します。
- VBEの右側に標準モジュールのウィンドウが開きます。
3. Webページからデータを取得するコードを入力
ウィンドウ内にVBAのコードを入力します。ここでは、セルA1に「1」、セルA2に「2」と入力するコードを入力しました。
4. マクロを実行する
- VBEの上部のツールバーにある「▶」ボタンをクリックして、マクロを実行します。
- ExcelのシートにWebページのデータが取得されます。
データ取得代行サービスの活用
VBAやその他のプログラミング技術を使うことで、Webデータの取得を自動化することは可能ですが、すべてのユーザーがこれらの技術をすぐに習得できるわけではありません。そこで、時間やスキルの制約がある場合には、データ取得代行サービスを活用するのも一つの方法です。
データ取得代行サービスを利用することで、専門家が複雑な作業を代行してくれるため、スムーズに必要なデータを手に入れることができます。次に、代行サービスを選ぶ際のポイントと、そのメリット・デメリットについて詳しく説明します。
データ取得代行サービスの選び方
データ取得代行サービスを選ぶ際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 実績と信頼性
サービス提供会社の実績と信頼性は、最初に確認すべき重要なポイントです。データ取得には高度な技術力が必要であり、経験豊富な企業や過去の成功事例が豊富な企業は、安心して任せることができます。また、特定の業界やニッチな分野に精通している企業であれば、特有のデータ取得ニーズにも適切に対応してくれる可能性が高いです。
2. コストパフォーマンス
コストパフォーマンスも大切な要素です。高品質なサービスはコストがかかることが多いですが、予算内で最適なサービスを提供してくれる企業を選ぶことが求められます。データ取得の目的や頻度に応じて、柔軟なプランを選べるかどうかも考慮するべきです。適正な価格で、必要なデータを確実に取得できるサービスを選ぶことで、費用対効果を最大化できます。
3. カスタマーサポートの充実度
カスタマーサポートの充実度も見逃せないポイントです。データ取得後に問題が発生した場合や追加のサポートが必要な際に、迅速で適切な対応が受けられるかどうかは、サービスの品質を左右します。サポート体制が整っている企業を選ぶことで、サービス利用中の安心感が得られ、長期的なパートナーシップを築くことが可能になります。
データ取得代行サービスのメリット・デメリット
データ取得代行サービスのメリットは、専門知識を持つプロフェッショナルが作業を代行してくれるため、時間や労力を大きく節約できる点です。特に、複雑なデータ収集や大量のデータを扱う場合には、効率的に正確なデータを得ることが可能です。また、データ取得時の技術的なトラブルや法的な問題に対しても、代行サービスの経験豊富なスタッフが適切に対応してくれるため、リスクを最小限に抑えることができます。
一方、デメリットとしては利用コストがかかる点が挙げられます。自分でデータを取得する場合に比べて、代行サービスを利用するには一定の費用が必要です。特に、頻繁にデータを取得する必要がある場合や、特殊なデータ収集が必要な場合には、コストが大きくなることがあります。また、データ取得のスピードや内容が期待に沿わない場合がある点も念頭に置きましょう。
Octoparseのデータ取得代行サービス
Octoparseでは「Webデータ代行収集サービス」を提供しています。Octoparseを使えば、誰でも簡単にスクレイピングが可能ですが、そもそもWebサイトによってスクレイピング制限があったり著作権表示があったりします。
そうしたWebサイトのデータ取得は難易度が高いため、豊富な経験を持つスクレイピングチームは、適切な方法でWebサイトからデータを取得し、最適なフォーマットで納品可能です。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
プログラミング言語によるアプローチ
データ取得を自動化するもう一つの方法として、プログラミング言語を用いるアプローチがあります。特に、Pythonなどのプログラミング言語は、Webスクレイピングにおいて非常に有用です。プログラミングのスキルがある場合や、独自のニーズに合わせたデータ取得を行いたい場合には、プログラミングを使った方法が最も柔軟で強力な選択肢となるでしょう。
Pythonなどプログラミング言語の活用
Pythonは、Webスクレイピングを行うための強力なツールです。その理由は、豊富なライブラリやフレームワークが揃っており、少ないコード量で複雑な処理を実現できる点にあります。例えば、Pythonの「BeautifulSoup」や「Selenium」といったライブラリを使えば、特定のWebページからデータを簡単に抽出し、Excelファイルに保存することが可能です。
Pythonを活用することで、手動で行うよりもはるかに効率的にデータを収集できるため、時間の節約に繋がります。また、自動化することでヒューマンエラーを防ぎ、正確なデータ取得が可能となります。さらに、自分でプログラムをカスタマイズできるため、特定のニーズに応じた柔軟なデータ取得が実現します。
しかし、Pythonを利用するには、一定のプログラミングスキルが必要です。特に、スクレイピングの対象となるWebサイトによっては、セキュリティやアクセス制限が設けられている場合があり、それに対応するための知識が求められます。
そのため、初心者には少し敷居が高いかもしれませんが、スキルを習得すれば、活用の幅が広がります。時間をかけてでもプログラミングを学びたい方には、この方法が最適と言えるでしょう。
まとめ
今回はWebサイトからデータを取得する方法を紹介しました。数十件程度のデータ取得であれば、手作業で行ったほうが早いかもしれませんが、何百件〜何千件、さらにそれが毎回となれば、自動化することで、作業時間を大幅に削減できます。
今回紹介したように、Webページ上のデータをExcelに取り込む方法はたくさんあります。ご自身のスキルや経験に応じて、やりやすい方法から試してみてください。
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