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CAPTHCAとは?基本や特徴、スクレイピングで回避する方法を解説

約6分で読めます

CAPTCHA(キャプチャ)とは、Webサイトやオンラインサービスにアクセスする際に、ユーザーが人間であることを確認するために使われるテクノロジーです。特に、スパムボットや悪意のある攻撃からWebサイトを守るために広く利用されています。

しかしながら、Webスクレイピングを行う際には、このCAPTCHAが大きな障壁となるケースがあります。本記事では、CAPTCHAの基本知識やその仕組み、さらにWebスクレイピング時にCAPTCHAを回避する方法を詳しく解説します。

CAPTCHAとは

CAPTCHAとは、Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apartの略で、日本語で「コンピュータと人間を区別する完全に自動化された公開チューリングテスト」と訳される技術です。

CAPTCHAは、主にWebサイトでのスパム防止やセキュリティ強化の目的で使われます。例えば、ユーザーがロボットではなく実際の人間であることを確認するために、特定のタスク(例:歪んだ文字を読み取る、画像を選択するなど)をユーザーに要求します。

このように、CAPTCHAはボットによる不正なアクセスを防ぐための重要な手段です。特にマルウェア拡散や個人情報の不正入手といったリスクを軽減するために、さまざまなオンラインサービスで広く導入されています。

実際、悪意のあるボットは、無数のアカウントを自動的に作成したり、サーバーに過負荷をかけたりすることがありますが、CAPTCHAを利用することでこれらの行為を防ぐことができます。

CAPTCHAの仕組み

CAPTCHAは、コンピュータが人間を装って自動操作を行うことを防ぐために設計されています。仕組みとしては、ユーザーが人間であることを確認するために、コンピュータには難しいが人間には比較的容易なタスクを課すことで、ボットによる不正なアクセスを防ぎます。

例えば、一般的なCAPTCHAでは、歪んだ文字や数字を画面に表示し、それをユーザーに入力させる形式が採用されています。文字の形状や配置がわずかに異なるだけで、ボットはその文字を正確に認識できなくなるためです。これにより、ボットによる自動化された入力を防ぐことができます。

また、最近ではテキスト以外のCAPTCHAも登場しており、画像認識を使って風景や物体を選択させるものや、ジグソーパズル形式で画像を完成させるものもあります。これらの形式は、文字や数字に比べて、ボットが突破するのがさらに難しくなるため、より強力なセキュリティ手段として採用されています。

CAPTCHAの種類

CAPTCHAにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、主なCAPTCHAの種類とその特徴について解説します。

歪んだ文字を読むタイプ

このタイプのCAPTCHAは、初期のころから使用されている形式です。歪んだり重なったりした文字や数字を表示し、ユーザーにその内容を入力させます。ボットにとっては文字認識が難しい一方で、人間にとっては簡単に解読可能です。

画像認識CAPTCHA

画像認識CAPTCHAは、ユーザーに特定の画像を選ばせる形式です。たとえば、数枚の画像の中から「すべてのバイクを選んでください」などの指示が与えられます。ボットが画像を認識するのは難しいため、この形式は従来のテキストCAPTCHAよりも効果的な防御手段とされています。

また、ジグソーパズル形式で画像を完成させるタイプもあり、これも人間には簡単でボットには難しいタスクとなります。

音声CAPTCHA

音声CAPTCHAは、視覚に障害のあるユーザー向けに開発された形式で、音声で指示を出し、その内容を入力させます。ランダムな単語や数字がノイズ混じりの音声で再生され、ユーザーはそれを聞き取り入力します。

人間にとっては聞き取れる音声でも、ボットにとってはノイズを排除して内容を理解することが非常に困難です。そのため、音声CAPTCHAは効果的な手段とされています。

その他のユニークなCAPTCHA

近年ではOCR(光学文字認識)技術の進化により、ボットがこのタイプのCAPTCHAを突破するケースも増えています。近年では、解読の難易度を上げるために、これまでの形式とは異なるユニークなCAPTCHAも登場しています。

例えば、簡単な計算問題を解かせる「計算式CAPTCHA」や、ユーザーのマウスの動きを解析するCAPTCHAなどがあります。これらの新しいタイプのCAPTCHAは、従来のボット対策を強化し、人間とコンピュータをより確実に区別することを目指しています。

CAPTCHAが普及した理由

CAPTCHAは、インターネットの普及とともに多くのWebサイトで利用されるようになりました。その背景には、大きく2つの理由が挙げられます。

ボットやスパム防止の必要性

インターネットの成長とともに、悪意のあるボットやスパムが増加しました。これらは自動的にアカウントを作成したり、スパムを送りつけたりするなど、Webサイトを乱す行為を行います。

これにより、Webサイトのパフォーマンスが低下したり、ユーザーの体験が損なわれることがあります。CAPTCHAは、こうした悪質なボットからの攻撃を防ぐための効果的な手段として導入されました。

セキュリティ強化のための導入

ECサイトなど、オンラインプラットフォームの増加に伴い、ユーザーのオンライン決済やオンライン予約が普及しました。アカウントページには個人情報が登録されているため、セキュリティの確保が非常に重要です。

CAPTCHAは、悪意のあるボットによるアカウントへの不正アクセスを防ぐ役割を担います。特にreCAPTCHAのような高度なCAPTCHA技術は、セキュリティ全般の向上にも大きく貢献しています。

CAPTCHAとreCAPTCHAについて

CAPTCHA技術が進化する中で、近年注目を集めているのが「reCAPTCHA」です。ここでは、reCAPTCHAとは何か、その特徴について詳しく解説します。

reCAPTCHAとは?

reCAPTCHAは、Googleが提供するCAPTCHAサービスで、主にボットによる不正アクセスを防止するために使用されています。

このサービスの目的は、従来のCAPTCHAと比較して、ユーザーに与える負担を軽減しながらも高いセキュリティを提供することです。reCAPTCHAは、通常のテキスト入力や画像選択の代わりに、ユーザーの行動パターンを解析して人間であるかどうかを判断します。

例えば、ユーザーがページを自然にスクロールしたり、マウスを動かしたりする際の動作データを収集し、ボットかどうかを検出します。このため、多くのユーザーはCAPTCHAのテストを意識することなく、通常の操作を行うだけでreCAPTCHAをクリアすることが可能です。

reCAPTCHAの特徴

reCAPTCHAには、CAPTCHAと比べていくつかのユニークな特徴があります。

1つ目は、ユーザーに対して「私はロボットではありません」という簡単なチェックボックスを提示し、そのクリック動作やページでの行動データをもとに判断する点です。これにより、従来の複雑な文字入力や画像認識が不要になり、ユーザー体験の向上につながります。

2つ目は、reCAPTCHAは、ユーザーがテストを通過するたびに、その結果をGoogleのデータベースに蓄積し、ボットと人間をより正確に区別するための機械学習に活用している点です。この継続的な学習プロセスにより、reCAPTCHAは進化し続け、より強力なボット対策を提供しています。

CAPTCHAを使用するメリットとデメリット

CAPTCHAには、オンラインセキュリティを強化するための重要な役割がありますが、同時にユーザー体験に影響を与えることもあります。ここでは、CAPTCHAのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

メリット

CAPTCHAを使用するメリットは次のとおりです。

  1. セキュリティの強化
    CAPTCHAは、自動化ボットによる不正アクセスやスパムからWebサイトを保護するための効果的な手段です。特に、ログインページやフォーム送信時にCAPTCHAを導入することで、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)やアカウント乗っ取りのリスクを軽減できます。
  2. 自動化攻撃の防止
    CAPTCHAは、ボットによる不正行為を防ぐことで、Webサイトやオンラインサービスの安全性を高めます。これにより、サービスが本来のユーザーに公平に提供されることが保証されます。
  3. データ品質の向上
    CAPTCHAは、ボットによる無効なデータ入力を排除することで、ユーザー生成コンテンツやフォームデータの品質を保つのに役立ちます。これにより、サービスの信頼性が向上します。
  4. コンプライアンスの遵守
    CAPTCHAを導入することで、Webサイトがデータセキュリティに関する規制を遵守していることを示し、プライバシー保護の強化が可能です。

デメリット

CAPTCHAを使用するデメリットは次のとおりです。

  1. ユーザーの不便さ
    CAPTCHAは、ユーザーにとっては手間となり、特に複数回の試行が必要な場合はフラストレーションを引き起こす可能性があります。その結果、サイトの利用を避ける原因となり、コンバージョン率の低下につながることもあります。
  2. アクセシビリティの問題
    特に視覚や聴覚に障がいのあるユーザーにとって、CAPTCHAは大きな障壁となることがあります。Webサイトがアクセシビリティ基準を満たさず、特定のユーザー層の排除につながる可能性があるため注意が必要です。
  3. 高度なボットの突破
    近年、OCRや機械学習技術を活用した高度なボットが、従来のCAPTCHAを突破するケースが増えています。このため、CAPTCHAだけでは十分なセキュリティを確保できない場合があり、他の対策との併用が必要です。
  4. ユーザー体験の低下
    CAPTCHAを多用すると、ユーザーがサイトを利用する際の体験が損なわれることがあります。特に、ビジネスサイトやECサイトでは、ユーザーが途中で離脱するリスクが高まるため、導入には慎重な検討が必要です。

CAPTCHAと情報セキュリティ

CAPTCHAは、情報セキュリティを強化するために広く利用されている重要なツールです。インターネット上でサービスを提供する際に、スパムや不正アクセスを防ぐ役割を果たし、サービスの品質とセキュリティを保護します。ここでは、CAPTCHAと情報セキュリティについて見ていきましょう。

CAPTCHAとreCAPTCHAだけで十分か?

CAPTCHAやreCAPTCHAは効果的なセキュリティ手段ですが、近年の技術進化により、その有効性が疑問視されるようになりました。特に高度なボットやAI技術を活用した攻撃には、これらのセキュリティ手段だけでは不十分な場合があります。

CAPTCHAがもたらすセキュリティ効果を最大限に活用するには、他のセキュリティ対策と組み合わせることが重要です。例えば、二要素認証(2FA)や行動ベースの認証と併用することで、より強固なセキュリティを確保できるでしょう。

ボット対策の他の手段や方法

CAPTCHA以外にも、ボット対策にはさまざまな方法があるため、いくつかの技術を併用することが大切です。例えば、ユーザーの行動パターンを分析する行動ベースの認証技術や、IPアドレスの異常な動作を監視して自動的にブロックする仕組みなどがあります。

また、機械学習を活用してボットと人間の動作をリアルタイムで識別する技術も進化しています。これらの技術を組み合わせることで、より効果的なボット対策が可能になるでしょう。

CAPTCHAと人工知能(AI)プロジェクトの関連性

AI技術の進化に伴い、CAPTCHAも進化を続けています。特に、人工知能(AI)の進展においてはCAPTCHAを通じて大量のデータを収集し、そのデータをAIモデルのトレーニングに用いています。

例えば、GoogleのreCAPTCHAでは、ユーザーが選択した画像データをAIの画像認識技術の精度向上に活用しています。このように、CAPTCHAはセキュリティ手段としてだけでなく、AIの発展にも寄与する重要な技術です。

スクレイピングでCAPTCHAを回避する方法

CAPTCHAはWebスクレイピングの大きな障壁となることがありますが、いくつかの手法を使うことで、これを回避することが可能です。ここでは、スクレイピング時にCAPTCHAを回避するための方法について詳しく解説します。

スクレイピングツールや技術によるCAPTCHA回避の手法

スクレイピングツールの中には、CAPTCHAを回避するための機能が組み込まれているものがあります。例えば、OctoparseやScrapyなどのツールでは、スクレイピング中にCAPTCHAが発生した際に、自動的に解決するプラグインやAPIを活用することができます。また、特定のツールでは、AIを活用してCAPTCHAを解析し、自動的に回答を入力する仕組みも取り入れられています。こうしたツールを利用することで、スクレイピングの効率を高めることが可能です。

参考:スクレイピングテクニック – バレないようにする方法を解説

自分でWebスクレイパーをコーディングする場合は、CAPTCHAを回避するサービスとして「CAPTCHAソルバー」が有名です。例えば、「Death by CAPTCHA」「Bypass CAPTCHA」はAPIを提供しており、ユーザーは作成したスクレイパー内に組み込むことで、スクレイピングの過程でCAPTCHAを自動的に解読することができます。こうしたCAPTCHAソルバーは、テキストCAPTCHAやreCAPTCHAなど様々なCAPTCHAに対応しています。

CAPTCHAを回避するための一般的なアプローチ

CAPTCHAを回避するための一般的な方法としては、以下のようなアプローチがあります。

  1. 人間に近い動作を模倣する
    スクレイピングのリクエスト頻度を減らし、アクセスパターンを人間に近づけることで、CAPTCHAの発動を避けることができます。スクレイピングの間隔をランダムに設定したり、ページの遷移をシミュレートするなどの手法が有効です。
  2. プロキシサーバーを活用する
    特定のIPアドレスからの大量アクセスが原因でCAPTCHAが発動することがあります。プロキシサーバーを使ってIPアドレスを分散させることで、CAPTCHAを回避することが可能です。
  3. CAPTCHA解決サービスの利用
    CAPTCHA解決サービスを利用して、スクレイピング中に発生するCAPTCHAを自動的に解決する方法もあります。これらのサービスは、CAPTCHAを解析して回答を自動入力する機能を提供しており、スクレイピングの流れを止めることなく進行させることが可能です。

まとめ

CAPTCHAは、Webセキュリティの重要な要素として広く利用されていますが、Webスクレイピングを行う際には障害となることがあります。

しかし、適切なツールや技術を用いることで、CAPTCHAを回避しながら効率的にデータ収集を行うことが可能です。CAPTCHAの回避方法を理解し、慎重に使用することで、効果的なスクレイピングを実現しましょう。

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