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プロキシサーバーの仕組みとは?メリットや注意点も解説

約6分で読めます

インターネットを利用する上で、私たちの情報を守り、安全な通信を確保するための技術の一つに「プロキシサーバー」があります。プロキシサーバーは、ユーザーとインターネットの間に立つことで、直接の接続を避け、セキュリティやプライバシーの保護に役立ちます。

本記事では、プロキシサーバーの基本的な仕組みから種類、メリット・デメリット、そしてVPNとの違いについて詳しく解説します。また、スクレイピング用プロキシや具体的な活用例としてOctoparseのプロキシサーバー機能についても紹介します。

プロキシサーバーとは?

そもそも「プロキシ(Proxy)」とは、日本語で「代理」という意味です。つまりプロキシサーバーとは、インターネットに接続できないコンピューターの代わりにアクセスするサーバーを指します。

具体的にいうと、クライアント(ユーザー)の要求を代理で送信し、応答を受け取る中継役です。これにより、クライアントのIPアドレスを隠し、直接の通信を避けることができます。プロキシサーバーはセキュリティの強化、アクセス制御、キャッシュの利用など、さまざまな目的で使用されます。

プロキシサーバーの仕組み

プロキシサーバーの基本的な仕組みは、ユーザーの要求を受け取り、その要求をインターネット上の目的のサーバーに代わりに送信することです。目的のサーバーから応答を受け取ると、それをユーザーに返します。その結果、ユーザーと目的のサーバーの間に直接の接続が発生せず、プロキシサーバーは中継役を果たします。

リクエストとレスポンスの流れ

  • ユーザーのリクエスト:ユーザーがウェブサイトにアクセスするためのリクエストをプロキシサーバーに送信します。
  • プロキシサーバーの中継:プロキシサーバーは受け取ったリクエストを目的のサーバーに転送します。
  • 目的のサーバーのレスポンス:目的のサーバーはリクエストに応じたレスポンスをプロキシサーバーに返します。
  • ユーザーへのレスポンス:プロキシサーバーは受け取ったレスポンスをユーザーに返します。

プロキシサーバーの種類

プロキシサーバーにはいくつかの種類があり、それぞれが異なる目的で使用されます。主なプロキシサーバーの種類について説明します。

フォワードプロキシ

フォワードプロキシは、クライアント側に配置されるプロキシで、クライアントの要求をインターネット上の目的のサーバーに転送します。主に、インターネットへのアクセス制御やIPアドレスの隠蔽に使用されます。これにより、社内ネットワークのユーザーがインターネット上のリソースにアクセスする際に、セキュリティとプライバシーを強化します。

リバースプロキシ

リバースプロキシは、サーバー側に配置されるプロキシで、インターネットからの要求を受け取り、内部のサーバーに転送します。主に、負荷分散やセキュリティ強化のために使用されます。例えば、ウェブサーバーの負荷を分散させ、システムの可用性とパフォーマンスを向上させることができます。

明示型プロキシ

明示型プロキシは、クライアント端末でプロキシ設定を明示的に行うことで利用されるプロキシサーバーです。ユーザーがプロキシサーバーを経由して通信を行うように設定されるため、ユーザーがプロキシサーバーの存在を認識しながら利用します。

透過型プロキシ

透過型プロキシは、管理側のネットワーク制御により、強制的にプロキシサーバーを経由させるプロキシです。ユーザーはプロキシサーバーの存在を意識することなく、ネットワーク管理者が設定したプロキシサーバーを経由して通信を行います。これにより、ユーザー側での設定が不要となり、管理が容易になります。

プロキシサーバーを活用するメリット

プロキシサーバーを導入することはインターネット上の脅威から守ることができますが、その他にも数多くのメリットがあります。以下では具体的なメリットについて解説します。

アクセスログを確認できる

プロキシサーバーを利用することで、いつ・誰が・どのサイトにアクセスしたか「アクセスログ」を記録出来るようになります。業務に不要なWebサイトや、危険なサイトの閲覧を防ぐことができます。万が一不正なアクセスが行われた場合でも、ログ解析によって適切な対処が可能になるでしょう。

匿名性の確保が可能

プロキシサーバーでは、個人のIPアドレスではなくプロキシサーバーのIPアドレスだけが送信されます。そのため、アクセスした端末を隠すことで、サイバー攻撃の対象となることや、悪用されるリスクを防ぐことが可能です。

サイト表示速度の高速化が可能

プロキシサーバーのキャッシュ機能は、ユーザーがアクセスしたWebサイトの情報を一時的に保存します。2回目以降のアクセス時は、Webサーバーにリクエスト送信する必要がなくなるため、Webサイトの表示速度が早くなります。

通常のキャッシュ機能はデバイスに保存されますが、プロキシの場合はサーバーに保存されるため、すべての端末で表示速度が高速化します。

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プロキシサーバーのデメリット

プロキシサーバーには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットについて理解し、対策を講じることが重要です。ここでは、プロキシサーバーの主なデメリットを詳しく説明します。

遅延が発生する可能性がある

プロキシサーバーを経由することで、直接の接続に比べて通信が遅延することがあります。特に、多くのユーザーが同時に利用する場合や、プロキシサーバー自体の性能が低い場合に顕著です。これにより、ユーザーの体感速度が遅くなり、作業効率に影響を与えることがあります。

プライバシーのリスクがある

プロキシサーバーの運営者が通信内容を監視することが可能であり、場合によってはプライバシーのリスクが発生します。信頼性の低いプロキシサーバーを利用すると、情報漏洩の危険性が高まります。例えば、機密情報が第三者に漏れる可能性があるため、プロキシサーバーの選定には慎重さが求められます。

コンテンツのアクセス制限を受ける場合がある

一部のウェブサイトやサービスは、プロキシサーバー経由のアクセスを制限している場合があります。これにより、特定のコンテンツにアクセスできないことがあります。例えば、ストリーミングサービスや特定の地域限定コンテンツにアクセスしようとした場合に、プロキシサーバー経由では利用できないことがあります。

プロキシサーバーを利用する際の注意点

プロキシサーバーには数多くのメリットがありますが、一方で利用する際には注意点があることもあらかじめ理解しておきましょう。ここではプロキシサーバーを利用する際の注意点を3つ解説します。

必要なときだけ利用する

プロキシサーバーは、高度なセキュリティを必要とする場合にのみ利用しましょう。表示速度の高速化のためにプロキシサーバーを利用したとしても、かえって表示速度が低下してしまう場合があります。

非公開プロキシを利用する

誰でも利用できる「公開プロキシ」は、個人情報を抜き取るための悪意のあるプロキシが設置されている可能性があります。プロキシサーバーを利用する際は、提供元が信頼できる非公開プロキシを利用しましょう。

プロキシは正しく設定する

プロキシの設定を誤ってしまうと、別のプロキシを経由してしまい、個人情報の情報漏えいにつながるリスクもあります。また、ID/パスワード認証を有効化しないと公開プロキシになり、不特定多数の人に利用されてしまう可能性があるので注意しましょう。

プロキシサーバーとVPNの違い

プロキシサーバーと混同されるものにVPN(仮想プライベートネットワーク)があります。VPNは、インターネット上で安全な通信を確保するための技術であり、全ての通信を暗号化します。これにより、第三者による通信内容の盗聴を防ぐことができます。VPNは、リモートワークや公衆Wi-Fiの利用時など、セキュリティが特に求められる場面で使用されます。

このように、プロキシサーバーとVPNは、どちらもユーザーのプライバシー保護やセキュリティ強化のために使用されますが、機能や仕組みには違いがあります。ここでは、両者の違いについて詳しくみていきましょう。

IPアドレスのマスキング

プロキシサーバーとVPNはどちらも、ユーザーのIPアドレスをマスキングする機能を持っていますが、その方法と範囲に違いがあります。

プロキシサーバーの場合

プロキシサーバーは、ユーザーのリクエストを代理で送信することで、ユーザーの実際のIPアドレスを隠します。これにより、ウェブサイトにはプロキシサーバーのIPアドレスが表示され、ユーザーの実際の位置情報や身元が隠されます。ただし、プロキシサーバーは通信の暗号化を行わないため、データのセキュリティは完全ではありません。

VPNの場合

VPNは、ユーザーの全てのインターネットトラフィックを暗号化し、VPNサーバーを経由させることで、ユーザーのIPアドレスを完全に隠します。これにより、通信内容が第三者に盗聴されるリスクを大幅に低減します。さらに、VPNはブラウザだけでなく、メールやその他のアプリケーションを含む全ての通信を保護します。

適用範囲

プロキシサーバーとVPNの適用範囲には以下の違いがあります。

プロキシサーバーの場合

プロキシサーバーは、特定のアプリケーションにのみ適用されることが多いです。例えば、ウェブブラウザの設定を変更してプロキシサーバーを利用することで、ブラウザ経由の通信を保護します。しかし、他のアプリケーション(例:メールクライアントやゲームアプリなど)には適用されません。

VPNの場合

VPNは、ユーザーの全てのインターネットトラフィックを保護します。これには、ウェブブラウザだけでなく、メールやアプリなど、全ての通信が含まれます。VPNを有効にすると、デバイス全体が保護され、すべてのアプリケーションの通信が暗号化されます。

コスト

プロキシサーバーとVPNでは、利用にかかるコストにも違いがあります。

プロキシサーバーの場合

一般的に、プロキシサーバーはVPNよりも安価です。無料のプロキシサービスも多く存在し、手軽に利用できる点が魅力です。しかし、無料サービスにはセキュリティや信頼性に欠ける場合があります。

VPNの場合

VPNサービスは有料のものが多く、プロキシサーバーよりもコストが高くなることがあります。高品質のVPNサービスは、強力な暗号化と広範なサーバー選択肢を提供するため、その分費用がかかります。

パフォーマンス

プロキシサーバーとVPNのパフォーマンスの違いは次のとおりです。

プロキシサーバーの場合

プロキシサーバーの利用による通信の遅延は比較的少ないです。しかし、通信の暗号化を行わないため、セキュリティ面では劣ります。そのため、速度は速いものの、データ保護が不十分です。

VPNの場合

VPNは全てのトラフィックを暗号化するため、プロキシサーバーよりも通信速度が低下することがあります。暗号化処理に時間がかかるため、速度が遅くなる傾向がありますが、その分セキュリティが強化されます。

まとめ

本記事ではプロキシサーバーの基本やメリット、活用時の注意点まで解説しました。プロキシサーバーは、セキュリティの強化やプライバシーの保護、アクセス制御、キャッシュの利用など、多くのメリットがあります。

特にウェブスクレイピングにおいては、スクレイピング用プロキシの利用がデータ収集の効率化と安定性を高めるために不可欠です。Octoparseのプロキシサーバー機能を活用することで、初心者でも簡単にプロキシを設定し、安全かつ効果的にスクレイピングを行うことができます。

プロキシサーバーを適切に利用し、インターネットの利便性を最大限に活用していきましょう。

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