ウェブスクレイピングは、オンラインからデータを収集し、ビジネスやリサーチに役立てるための重要な手段です。しかし、多くのウェブサイトは過度なリクエストをブロックするために、スクレイパーを検知する仕組みを導入しています。
そこで、スクレイピングを効率的に行うためには「プロキシ」を活用することが重要です。この記事では、プロキシの基本的な仕組みから、ウェブスクレイピングでプロキシを使う理由、そしてその利用方法について詳しく解説します。
スクレイピング用プロキシとは
スクレイピング用プロキシは、ウェブスクレイピング(Web scraping)を行う際に使用される特殊なプロキシサーバーです。スクレイピングとは、ウェブサイトからデータを自動的に抽出する技術であり、多くのデータを収集するために用いられます。スクレイピング用プロキシは、このプロセスを効率的かつ安全に行うために不可欠なツールです。
基本概念
スクレイピング用プロキシは、複数のIPアドレスを提供することで、スクレイピング活動が単一のIPアドレスに依存しないようにします。これにより、ウェブサイト側からのブロックや制限を回避しやすくなります。また、スクレイピング活動の匿名性を確保し、検出リスクを低減します。
種類
データセンタープロキシ
データセンタープロキシは、データセンター内のサーバーによって提供されるIPアドレスを使用するプロキシです。高速で安価ですが、一部のウェブサイトはこれらのIPアドレスをブロックすることがあります。データセンタープロキシは、市場調査や競合分析など、大量のデータ収集が必要なタスクに適しています。
- 長所: 高速かつ高性能、費用対効果が高い
- 短所: 検出されやすく、ブラックリストに追加されやすい
住宅プロキシ
住宅プロキシは、実際の住宅インターネット接続を使用して提供されるIPアドレスを使用するプロキシです。信頼性が高く、検出されにくいですが、コストが高くなることがあります。広告表示の検証や地域制限のあるコンテンツへのアクセスに適しています。
- 長所: 高い信頼性、世界中の多くのIPが利用可能
- 短所: 一般的に高額、低速なことがある
ISPプロキシ
ISPプロキシは、データセンターのサーバーからインターネットサービスプロバイダーに登録済みの静的IPを提供するプロキシです。これにより、信頼性が高く、住宅用プロキシよりも高速です。地域制限のあるコンテンツへのアクセスやSEOのための地域ごとの検索結果の監視に適しています。
- 長所: 高い信頼性と高速性
- 短所: 利用可能なIPの数が少ない、静的IPであるためIPローテーションができない
モバイルプロキシ
モバイルプロキシは、3G、4G、5Gセルラーネットワークに接続されたモバイルデバイスからのIPアドレスを提供します。特に、ソーシャルメディアプラットフォームでのブロックを回避するのに効果的です。
- 長所: 高い信頼性、ソーシャルプラットフォームでの使用に最適
- 短所: 高額、モバイルネットワーク依存のため低速
ウェブサイトがスクレーパーをブロックする仕組み
多くのウェブサイトは、スクレイピングツールが大量のデータを収集するのを防ぐために、さまざまなブロック対策を導入しています。特に、過剰なリクエストや不自然なトラフィックが発生した場合、ウェブサイト側はそれをボット活動とみなし、アクセスを制限することがあります。
IPアドレスによるリクエスト制限
ウェブサイトは、単一のIPアドレスからの大量のリクエストを検知し、そのIPをブロックすることが一般的です。このような制限は、サイトがリクエストの負荷に耐えられなくなるのを防ぐための基本的な手段として広く利用されています。これを回避するために、IPプロキシを使って異なるIPからリクエストを送信することが有効です。
ボット検知システム
ウェブサイトは、リクエストのタイミングや量、さらにはアクセスパターンを分析してボットの挙動を検出します。これにより、短時間に大量のリクエストを送るIPや、異常なリクエストパターンを持つIPが自動的にブロックされることがあります。
ウェブスクレイピングにプロキシが必要な理由
ウェブスクレイピングを行う際、多くのウェブサイトがスクレイパーを検出し、ブロックするための防御機能を持っています。そのため、スクレイピング活動を継続的に行うためには、プロキシを使用することが非常に重要です。
アクセスの安定性と信頼性
スクレイピング用プロキシを使用することで、複数のIPアドレスをローテーションさせることができ、ウェブサイトへのアクセスが安定します。これにより、単一のIPアドレスがブロックされた場合でも、他のIPアドレスを使用してスクレイピングを続けることができます。
匿名性の確保
プロキシサーバーを経由することで、スクレイピングのアクティビティが匿名化され、ユーザーの実際のIPアドレスが隠されます。これにより、プライバシーが保護され、検出されにくくなります。
地理的制限の回避
特定の国や地域からのみアクセスが許可されているコンテンツも存在します。プロキシを利用することで、異なる地域に位置するIPを使い、地理的制限を回避してデータを取得することが可能です。
スクレイピングの効率化
プロキシサーバーを利用することで、並列リクエストを効率的に管理でき、多数のリクエストを短時間で処理することが可能です。これにより、データ収集のスピードが向上します。
Octoparseでプロキシを利用する方法
ウェブスクレイピングツールのOctoparse(オクトパス)では、IPブロックを回避するためのプロキシ機能を提供しています。
この機能を利用することで、データの抽出がブロックされるリスクを軽減し、効率的にスクレイピングを実行できます。詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
内蔵プロキシの利用
Octoparseには、クラウドベースのIPプロキシが内蔵されています。これにより、独自のプロキシを用意しなくても、スクレイピング作業中にIPローテーションを自動的に行い、ブロックされにくい環境で作業を続けることが可能です。
Octoparse内蔵プロキシの設定方法
1.プロキシを設定したいタスクを開きます。
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2.タスク設定に移動します。
3.プロキシサーバの利用にチェックを入れます。
4.プレミアムプロキシサーバをクリックします。
5.ミックスまたは希望する国または地域のIPアドレスを選択します(ミックスはランダムな国のIPを使用することを意味します)。
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6.切り替え間隔の時間を選択します。
7.インターフェースの右下隅にある保存ボタンをクリックして設定を保存します。
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外部プロキシの設定
独自に用意したIPプロキシを使用することも可能です。例えば、企業内のイントラネット環境でアクセスが制限されている場合や、特定の国のIPアドレスを必要とするウェブサイトに対して外部プロキシを設定することで、スクレイピング作業を継続できます。
- カスタマプロキシサーバにチェックを入れます。
- 設定をクリックします。
- ボックス内にIPプロキシを入力します。
- 「はい」をクリックし、設定を確認します。
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まとめ
本記事では、ウェブスクレイピングにおけるプロキシの重要性とその利用方法について解説しました。ウェブサイトのブロックを回避するためには、プロキシを使うことでIPアドレスをローテーションし、スクレイピング活動を効率的かつ安全に進めることができます。
また、ウェブスクレイピングツールのOctoparseを活用すれば、内蔵プロキシや外部プロキシを設定することで、さらに効果的にデータを抽出できる環境構築が可能です。プロキシ機能を活用することで、スクレイピングの成功率が大幅に向上し、業務効率を高めることができますので、ぜひ試してみてください。
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