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Webスクレイピングに最適なプログラミング言語7選を徹底比較!

約6分で読めます

Webスクレイピングを始めたいけれど、「どのプログラミング言語を選べばいいのかわからない」「収集したいデータがこの言語で対応できるか不安」と悩んでいませんか?

スクレイピングは、扱うデータの種類やWebサイトの構造によって最適な言語が変わります。動的なページを解析する場合と、シンプルなHTMLデータを抜き出す場合では、適した言語やツールが異なります。

そこで、今回はWebスクレイピングにおすすめのプログラミング言語を紹介します。これからWebスクレイピングを独学しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Webスクレイピングとは?

Webスクレイピングとは、Webサイト上の特定データを自動で抽出し、データベースやスプレッドシートなどに格納し、分析可能な構造化データへと変換する技術です。

Webサイトの情報を収集するために、「クローラーボット」と呼ばれるプログラムがサイトを巡回し、必要なデータを取得します。クローラーボットを作成するにはプログラミングが必要で、適切な言語を選ぶことで、より効率的かつ正確にデータを取得できます。

プログラミング未経験の方は、言語ごとの特徴を理解したうえで、自分の目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。

Webスクレイピングにおすすめの言語4選

ここからは、Webスクレイピングにおすすめの言語を紹介します。独学に役立つ書籍情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

Python

Pythonは、IoT分野やAI(人工知能)開発で用いられることが多く、近年世界中で人気急上昇中の言語です。スクレイピングの分野でも非常に優れており、今回紹介する言語の中でも最もおすすめといえます。

最大の特徴は、スクレイピングを効率化する豊富なライブラリが揃っていることです。これにより、ゼロからコードを書く必要がなく、短いコードでWebデータを取得できるため、初心者でも扱いやすい言語となっています。

また、スクレイピング関連の書籍やWeb上の学習コンテンツが充実している点も、Pythonを選ぶ大きなメリットです。

本サイトの別記事「PythonでWebスクレイピングする入門ガイド【サンプルコードあり】」では、すぐにスクレイピングができるサンプルコード付きの記事も公開しています。併せてご覧ください。

おすすめの本:「Pythonによるスクレイピング&機械学習開発テクニック

Ruby

Rubyは、日本人のエンジニアである、まつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語です。国内ではWeb系企業を中心に人気があります。Rubyでは、「Ruby on Rails」というフレームワークがあり、開発効率を高めることができます。

RubyはWebアプリケーション開発向けの言語というイメージが強いですが、スクレイピングにも活用可能です。Pythonと比べて、軽量なライブラリで実装できる点がメリットといえます。

特に「Nokogiri」 は、Rubyでスクレイピングを行う際に欠かせないライブラリです。Nokogiriを使えば、HTML上の任意の箇所から文字列の抜き出しや、動的なHTMLを作成できます。PythonのBeautifulSoupに近い機能を持ち、シンプルで扱いやすいことが特徴です。

一方で、Rubyでのスクレイピングにはデメリット もあります。まず、スクレイピング関連のライブラリやサポート情報がPythonほど充実していないため、学習リソースが限られています。また、アプリケーションやWebサイトにおいて、Rubyの採用が減少傾向にあるため、学習後のキャリアの選択肢が狭まる可能性があります。

おすすめの本:「Rubyによるクローラー開発技法 巡回・解析機能の実装と21の運用例

JavaScript

JavaScriptは、主にWebサイトやWebアプリケーション開発に用いられるプログラミング言語です。一般的にはHTML/CSSと組み合わせて動的なWebサイトの開発に使われますが、Node.jsを活用すればWebスクレイピングにも対応できます。

しかし、環境の構築に手間がかかるため、スクレイピング専用の言語としてJavaScriptを選ぶメリットはそれほど大きくありません。
スクレイピング対象のサイトがJavaScriptで動的に生成される場合や、既存システムでJavaScriptを使っており、Node.jsで統一したほうが効率的な場合は、有力な選択肢になります。ただし、こうした特別な事情がなければ、Pythonを優先する方がよいでしょう。

おすすめの本:「JS+Node.jsによるWebクローラー/ネットエージェント開発テクニック

PHP

HPは、WebサイトやWebアプリケーション開発で広く使われている人気のプログラミング言語です。PHPは、本来スクレイピングに特化した言語ではありませんが、「PHPQuery」というライブラリを使うことでWebスクレイピングが可能になります。

phpQueryを使うことで、HTMLを簡単に解析し、特定の要素を取得できます。例えば、ページ内の特定のテキストや画像データを、idやclassを指定して抽出することも可能です。Web開発とスクレイピングを同じ言語で統一したい場合には、有力な選択肢となるでしょう。

しかし、PHPでのスクレイピングにはいくつかのデメリット もあります。まず、非同期処理や並列処理が苦手 であるため、大量のデータを効率よく取得するには不向きです。さらに、動的なWebサイトのスクレイピングが難しいという課題もあります。PHPでスクレイピングを行う場合は、こうしたデメリットを考慮し、静的なページのデータ収集など、用途に適した場面で活用するのが良いでしょう。

おすすめの本:「PHPライブラリ&サンプル実践活用[厳選100]

C#

C#は、Microsoftが開発したオブジェクト指向プログラミング言語で、主にWindowsアプリケーションやWebアプリケーションの開発に利用されています。.NETフレームワークを活用することで、高性能なアプリケーションを構築できる点が特徴です。

C#はスクレイピングにも活用でき、HtmlAgilityPackを使えば、HTMLの解析やデータ抽出を容易に行うことができます。また、HttpClientを利用すれば、HTTPリクエストを効率的に送信し、Webページのデータを取得できます。

しかし、C#は主に企業向けのアプリケーション開発で使用されることが多いため、スクレイピング用途での採用事例は少なく、実務での活用場面が限られる点も考慮しておきましょう。

参照:【初心者入門】C#によるウェブスクレイピングの方法とは?分かりやすく手法を解説!

非エンジニアにおすすめのプログラミング言語2選

プログラミングはサーバー構築やデータベースの知識取得が必要であるため、習得の難易度が高く、途中で挫折する方も少なくありません。そこで、比較的手軽に始められるVBAとGASを紹介します。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

VBA

VBA(Visual Basic for Applications)は、Excelの拡張機能の1つで、PythonやRubyのように開発環境を準備する必要がなく、アプリケーション内で簡単にプログラミングを行えます。

VBAでスクレイピングを行うためには、「Microsoft HTML Object Library」「Microsoft Internet Controls」といったライブラリを追加導入する必要があります。Excelを使い慣れている人にとっては、VBAは学習コストが低く、実践的なスキルをすぐに活用できる点が魅力です。

また、取得したデータをそのままExcelに保存できる ため、データの整理や集計がスムーズに行えるのも大きなメリットです。スクレイピング結果を即座に表やグラフとして可視化できるため、データ分析を伴う業務には特に適しています。

VBAの詳しい使い方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

参照:【初心者向け】Excel VBAを使ってWebスクレイピングを実践する方法を解説!

おすすめの本:「Excel VBAでIEを思いのままに操作できるプログラミング術

GAS

GAS(Google Apps Script)は、Googleが提供するプログラミング言語です。GASを使えば、スプレッドシートやGmailなどの、Googleサービスの自動化ができます。GASは複雑な環境構築が不要なので、非エンジニアの方でもすぐにコーディングが可能です。

また、GASを使えばスクレイピングも可能で、Webサイト上のデータをスプレッドシートに書き出すことができます。さらに、記述したスクリプトを定期実行するためのトリガー機能を活用すれば、特定の時間や曜日にスクレイピングを自動実行することも可能です。

おすすめの本:「Google Apps Script完全入門

コーディング不要のWebスクレイピングツール3選

ウェブスクレイピングを行う際、必ずしもプログラミングスキルが必要なわけではありません。コードを使わずにWebスクレイピングを行えるツールも存在します。これらのツールは、Webサイト上で実際にクリックしながら操作できるため、誰でも直感的にデータを収集できます。

ここでは、おすすめのWebスクレイピングツールを紹介します。

Octoparse

引用:Octoparse

Octoparseは、プログラミング不要でWebスクレイピングができる、非エンジニアでも扱いやすいツールです。
ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でスクレイピングが可能で、クラウド抽出機能を利用すれば、自動でデータの取得や保存が可能になります。また、Octoparseのテンプレートを使えば、食べログやX(旧Twitter)、Amazonなど有名Webサイトのデータ収集を簡単に実行できます。

特徴

  • 直感的なドラッグ&ドロップ操作:簡単な操作でスクレイピングワークフローが作成可能です。
  • クラウドサービスによる自動化:クラウド上でスクレイピングタスクを実行し、データの取得から保存までを自動化できます。
  • 充実したテンプレート:人気のウェブサイトに対応した数百種類の事前設定済みウェブスクレイピングテンプレートを利用して、設定不要で瞬時にデータを取得できます。

ParseHub

引用:ParseHub

ParseHubは、クリック操作だけでWebスクレイピングを実行できるツールです。非エンジニアでも使いやすい直感的なビジュアルエディタを搭載し、静的なWebサイトはもちろん、JavaScriptで生成される動的コンテンツにも対応しています。さらに、データの出力形式も豊富で、様々なニーズに対応可能です。

特徴

  • ビジュアルエディタによる操作:視覚的にウェブサイトの要素を選択することで、スクレイピングの設定が可能です。
  • 動的コンテンツにも対応:静的なウェブサイトだけでなく、JavaScriptで動的に生成されるコンテンツにも対応しています。
  • 多様なデータ出力形式JSON、CSV、Excelなど、様々な形式でデータをエクスポートできます。

import.io

引用:import.io

import.ioは、企業向けのWebスクレイピングプラットフォームで、大量のデータを効率的に収集できます。プログラミング不要のノーコードツールであり、リアルタイムでデータの抽出が可能です。さらに、収集したデータを他のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールやデータベースに簡単に統合できるため、分析や業務への活用がスムーズに行えます。

特徴

  • ノーコードで簡単に設定:プログラミング不要で、直観的なデータ収集が可能です。
  • リアルタイムなデータ取得:リアルタイムでデータを抽出し、必要なタイミングで最新情報を取得できます。
  • 外部ツールとのシームレスな連携:取得したデータをBIツールやデータベースと統合し、業務の効率化が可能です。

Webスクレイピングをする時の確認事項と注意点

Webスクレイピングを行う際には、法的および倫理的な側面を考慮しなければなりません。各Webサイトには独自の利用規約があり、これを無視すると法的トラブルに発展する可能性があります。適切にスクレイピングを実施するために、以下の点を事前に確認しましょう。

Webサイトの利用規約を確認する

Webサイトの利用規約には、スクレイピングの禁止が明記されている場合があります。事前に対象サイトの利用規約を確認し、データ収集の許可がされているか確認しましょう。また、利用規約にスクレイピングに関する明示的な記載がない場合でも、サイト管理者に確認することが推奨されます。

参考:Webスクレイピングは違法?合法的なやり方と禁止サイトの確認方法を解説

robots.txtファイルを確認する

多くのWebサイトのルートディレクトリには、robots.txtファイルが設置されています。このファイルには、Webクローラーに対するアクセス許可や制限が記載されており、スクレイピングを行う際のガイドラインとなります。robots.txtファイルに従ってスクレイピングを行い、アクセスが禁止されているページにはアクセスしないようにしましょう。

アクセス頻度に注意する

過度なアクセスはWebサーバーに負荷をかけ、サイトのパフォーマンスを低下させる可能性があります。リクエストの間隔を適切に設定し、不要な負荷をかけないよう注意しましょう。スクレイピングツールの間隔調整機能を活用し、無駄なリクエストを避ける工夫が必要です。

収集データの利用範囲に注意する

取得したデータの利用目的を明確にし、個人情報や機密情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。データを不適切に使用すると、プライバシーの侵害やその他の法的問題に発展する恐れがあります。データの利用目的が合法かつ倫理的であることを確認しましょう。

参考:スクレイピングは違法?Webスクレイピングに関するよくある誤解!

Webサイト側のスクレイピング対策に注意する

ここまでスクレイピングを実施する側の視点で紹介してきましたが、Webサイト側もスクレイピング対策を講じている点に注意が必要です。
たとえば、IPアドレスの制限、CAPTCHA(画像認証)、ログイン制限、リクエスト頻度の検出など、さまざまな手法でスクレイピング検知、ブロックを行うことで自社のWebサイトを保護しています。

特に、短時間で大量のリクエストを送ると、IPアドレスがブロックされ、一時的にアクセス制限がかかる可能性があります。また、一部のサイトでは、アクセス元を特定するためにユーザーエージェント(ブラウザの情報)やリファラ(参照元)をチェックし、不審なアクセスを遮断する仕組みを導入しています。

万が一ブロックされてしまうと、スクレイピングだけでなく、通常のWebページの閲覧すらできなくなることもあります。安全にスクレイピングを行うためにも、サイトのルールを守り、適切なリクエスト頻度を意識することが重要です。

まとめ

Webスクレイピングを習得すれば、Web上の膨大な情報を効率的に収集できるようになります。さらに、取得したデータを加工・分析するスキルを身につけることで、より価値のある情報活用が可能になります。

こうしたスキルは、AI(人工知能)分野をはじめ、ECサイトやSNSの運営、営業活動(競合分析・市場調査)など、さまざまな分野で広く使われています。

Webスクレイピングを独学で学びたい場合は、本記事で紹介した書籍などを参考に進めてみましょう。もし、学習コストを掛けずにスクレイピングを行いたい場合は、スクレイピングツールがおすすめです。
ノーコードで手軽にスクレイピングを試したい方には、無料で使えるOctoparseがおすすめです。まずは実際に操作し、その便利さを体験してみてはいかがでしょうか。

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